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TRANSMISSION BLOCKーEYESCREAM的、今が在る場所ー Vol.01 IMA:ZINE

photography_Kazuki Watanabe, text_Kenji Takeda

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TRANSMISSION BLOCKーEYESCREAM的、今が在る場所ー Vol.01 IMA:ZINE

photography_Kazuki Watanabe, text_Kenji Takeda

Verdyとともに展開するZepanese Clubで、ボーダレスに表現する

IMA:ZINEの立ち上げと同時に、Girls Don’t CryやWasted Youthなどで知られる気鋭のグラフィックアーティストVerdyと共同でローンチしたブランドがZepanese Clubだ。

谷:Verdy君とは前職のときに知り合って、共通の知り合いの海外アーティストも多かった。僕らと一緒にやらせていただくことによって、何か面白い化学反応が起こるのではないかと希望を持ってスタートしたのがZepanese clubです。90年代をリアルに通ってきた30代後半から40代へもメッセージを伝えることができるのが、この蛇を模したロゴです。

谷:今の想いをVerdy君にぶつけてデザインをしてもらいました。正直、このアイデアをもらったとき、すごく嬉しかった。蛇はインディアンの一族であるホピ族の平和や再生の象徴なんです。この店をやっていく上での僕個人の目標として、自分自身の先入観をなくして、ゼロに戻したいという考えがあって、正にそれに合致するものだったんですよね。先ほどもお話したように、お客様にも先入観をなくしてほしい、という想いがあります。このZepanese Clubはそんな想いを形にしたブランドなんです。
Zepanese Clubのこの”Ze”という言葉は、ある大学の教授が作ったとされてる造語で、”He”でも”She”でもない、つまりボーダレスであるという意味のスラングで。なので、このブランドではボーダレスにいろんなことに挑戦したいですね。例えば、ファーストコレクションではチョークバックもつくったんですが、昔好きだったS7ってボルダリングブランドからインスパイアしたものです。現在ではサコッシュも多いですが、このチョークバックも使い勝手がよく、イギリスではメジャーなスポーツであり、オリンピックもあることからまた再熱させたいと。イギリスではストリートでも行われているそうです。

谷:インディアンジュエリーのホピ族のレジェンドアーティストであるJason Takalaとのコラボレートでは、Zepanese Clubのロゴと彼のアイコンであるマン・イン・ザ・メイズ(迷路)を模したバングルを作りました。これも、Zepanese clubのアイコニックカラーであるラスタカラウェイがJason Takalaとの作品とマッチしたんです。彼はボブ・マーリーをよく聴いていて、この象徴的な蛇はホピ族でよく使用されるものでもある。というように、すべてのコラボレーションにストーリーがあるんです。すでにオーダー会は終了したのですが、この予想もつかなかった化学反応に、いい意味での疑問と興味を持っていただけました。おそらくストリート業界では初だと思います。

谷:このブランドは無限の可能性を秘めてると思ってます。どこに向かうかわからない、というか。もちろん、ザ・ストリートなときもあるでしょうし、こういう予想のつかないコラボもあり得る。そこにストーリーさえあれば、良いものができあがると考えてます。

USストリート固有のローカルカルチャーを、ユニークな発想で映し出す

谷:CHINATOWN MARKETは活動拠点を東から西海岸へと移して展開しているブランド。デザインソースがいつも面白く、CHINATOWNの表現をうまく表している。今後も楽しみなブランドのひとつです。

谷:2月にもCHINATOWN MARKET POP UPを予定しています。こういうフォークアート的な物に価値を見出すのが個展の定義だと思うので。同時に現地の空気感も伝えられたら嬉しいですね。

ギアをファッションに取り入れた高品質のドメスティックブランド

稲葉:SASSAFRAS(ササフラス)は、15年前から続くガーデニング向けのワークウェアなんですが、当初はまだこういったギアを洋服として扱う概念がなかったんですね。誰もやってない時期から、信念をまったく変えずにやり通しているとても深さのあるブランド。ここのデザイナーさんには、大学時代からお世話になっています。

稲葉:僕たちのショップは、今と昔の共存で成り立ってます。今を表現しているストリートブランドがあって、このSASSAFRASみたいに昔から信念を変えずに続いているブランドがある。そうやってIMA:ZINEというものを通して、お客様と一緒にいろんなストーリーを作っていきたいですね。

取材のなかで感じたのは、その店構えや彼ら自身のクールな第一印象とは裏腹に、好意を抱く相手に対する深い愛情だ。関西人らしいまっすぐなお節介さや愛嬌が、多くの人を惹き付けているのもわかる。この場所からなら、今までになかった手法で、多くの人を魅了するセンセーショナルな出来事が次々と巻き起こるはずだ。
人との会話やふれあいを通して得られる実感には際限なく、予想のつかないストーリーがそこには待っている。そんな体験ができるチャンスが、IMA:ZINEにはある。

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