バンドサウンドでさらに開花するSixTONESの魅力

Text_Chie Kobayashi

バンドサウンドでさらに開花するSixTONESの魅力

Text_Chie Kobayashi

SixTONESのニューアルバム『THE VIBES』が1月10日(水)にリリースされる。ミュージックビデオの再生回数が1億回を超えた「こっから」から始まる本作は、SixTONESが2023年に新たに手に入れたバンドサウンドという武器を全面に感じさせる1作だ。SixTONESが鳴らすバンドサウンドの魅力から、本作を紐解いてみる。

2023年のSixTONESを振り返ると、1月に3rdアルバム『声』をリリースし、ライブツアー「慣声の法則」を実施。4月にはグループ初の単独ドーム公演「慣声の法則 in DOME」を京セラドーム大阪と東京ドームで開催した。新曲リリースとしては、ドーム公演にあわせてシングル「ABARERO」をリリースしたほか、森本慎太郎と髙橋海人(King & Prince)がW主演を務めたドラマ「だが、情熱はある」(日本テレビ系)の主題歌「こっから」、松村北斗と、西畑大吾(なにわ男子)のW主演ドラマ「ノッキンオン・ロックドドア」(テレビ朝日系)の主題歌「CREAK」を発表。なかでも「こっから」はミュージックビデオの再生数がSixTONESにとって初の1億回を超えるなど、音楽面での活躍がひときわ目立つ1年となった。

そんな2023年発表曲も収録した4thアルバム『THE VIBES』は、まさに2023年のSixTONESの持つ良い“バイブス”を受け継いだアルバムに。これまでのSixTONESのイメージといえば、彼らの持つ自由奔放さやアグレッシブさを生かしたパーティチューンやEDMナンバー。もしくは歌唱力を武器にしたロックバラードに、「SixTONESらしい」という形容詞が付くことが多かった。そんな彼らが2023年、『声』というアルバムを経た次のフェーズに手に入れた武器が、ラップ×バンドサウンドだ。そもそも「こっから」は3rdアルバム『声』収録曲「人人人」をきっかけに生まれたもの。「人人人」は2000年代の日本語ラップを踏襲したヒップホップチューンで、彼らの新たな引き出しとなった。そこから、彼らのマイクリレーを生バンドに乗せ進化させたのが「こっから」だった。音楽番組でのパフォーマンス時にも生バンドと共に出演し、SixTONES×生バンドという印象を色濃く残した。

そんな新たな“SixTONESらしさ”を手に入れた彼らのニューアルバムは、もちろん「こっから」から始まる。アルバムごとに進化を遂げる彼らの新章は、まさに“こっから”始まったといっても過言ではない。続く「Alright」もまたバンドサウンド。と言っても、こちらは気だるさと艶やかさのあるフュージョン。<成功も失敗もAlright><最後に笑えばAlright>と背中を押すリリックを、肩の力を抜いて歌う。<順番通り 行ってないだけで予定通り>というメッセージを、爆速でまくしたてたり(「こっから」)、力まずに届けたり(「Alright」)、様々な手法で届けられるようになっているのが、2024年のSixTONESだ。

リード曲「アンセム」は、まさにラップ×バンドサウンドな1曲。跳ねるベースから心地よく入ると、壮大で厚みのあるシンガロング、そしてもはやお得意となった6人の高速ラップがぐんぐんと曲を進める。この曲に「アンセム」と名付けられているならば、サビの<誰も彼も不意に前ならってる ならばあえて俺は列乱してく>は、そのまま彼らの確固たる姿勢だ。同時に<何度でも 何度でも 何度でも 挑んでいたいんだって><アレもコレもすべて振り払って 前へ前へ>という言葉が並んでいるのも頼もしい。ちなみに同曲はYUUKI SANO、Hayato Yamamoto、YUKI(2D)の共作。YUUKI SANOは「Good Luck!」の作詞作曲を担当しており、アンセムについて「「Good Luck!」ができたからこそ作れた」とコメントしている(https://x.com/yuuki_unione/status/1732034132895732054?s=46&t=77xbm8YH5CLhOjAzN3zA3Q)。

もう1曲注目したいのが「Something from Nothing」。作曲をNaoki Itai、MEG(MEGMETAL)、Satoshi Setsune、作詞をJames MinimalとSoma Gendaが手がけたロックチューンだ。MEG(MEGMETAL)はSixTONES「NEW ERA」の作曲・編曲を担当したほか、BABYMETAL、ONE OK ROCKの楽曲やレコーディングにも携わっているワールドクラスのクリエイター。「Something from Nothing」もスケール感を湛えたメタルコアチューンで、歌詞の大半が英語、さらにはデスボイスも取り入れたMEG(MEGMETAL)の本領発揮といえる。SixTONESにとっては新境地なはずなのだが、それこそ「NEW ERA」や「共鳴」といったロックチューンを歌いなし、「Rosy」「Outrageous」といったハードなナンバーを乗りこなしてきた彼らだから、たどり着いた境地である。なんならドームでこの曲をパフォーマンスし熱狂を生み出す姿すら想像できる。

通常盤のみの収録となる「君がいない」もまた、ラップ×バンドサウンド。セルフライナーノーツで松村北斗が「こんなにもまがまがしくて混沌としているラブソングがあるだろうか」と記している通り、気だるいラップで“君がいない”ことを嘆くことで、愛おしい人の存在感を大きく感じさせる手法のラブソングだ。「こっから」や「人人人」のように6人のマイクリレーが生み出す勢いは、このような使い方もできるのか!と、思わず膝を打った。

バンドサウンドとは、ギターやベース、ドラムを軸に、キーボードやパーカッション、ストリングスなど様々な音が、自身を主張しながらもバランスを取り支え合うことで成立する。手練れのバンドメンバーであれば、互いの顔を見ながらジャムセッションで予測不能な音楽も生み出すことができる。そこに必要なのは“バイブス”だ。SixTONESがバンドサウンドと相性が良いのは、その構造が似ているからなのかもしれない。SixTONESの公式YouTubeチャンネルを見ていても、その場で独自のルールを生み出し6人が大笑いしながらゲームを楽しんでいる姿がたびたび見受けられる。互いの個性を認め合い、互いの息遣いを感じ取った、“バイブス”の合った6人だからこそ鳴らすことのできる音楽。それが『THE VIBES』には詰まっている。

そのほかにもアルバムには冬を感じさせる「Only Holy」やパーティチューン「DON-DON-DON」、前向きなポップチューン「SPECIAL」、全英語詞の「Seize The Day」など、多彩な楽曲が収録されている。メンバーユニット曲「Blue Days」(ジェシー×髙地優吾)、「希望の唄」(京本大我×森本慎太郎)、「スーパーボーイ」(松村北斗×田中樹)を堪能できるのも(初回盤B収録)アルバムの醍醐味だ。

2月からは、4大ドームツアー「VVS」(バイブス)を行う彼ら。2024年も“前へ前へ”“止まる気ない”SixTONESのセッションが楽しめそうだ。

INFORMATION

SixTONES 『THE VIBES』

発売日:1月10日(水)
初回盤A ¥3,960
初回盤B ¥3,960
通常盤 ¥3,300

・SixTONES公式HP
https://www.sixtones.jp/
・SixTONESOfficial YouTube Channel
https://www.youtube.com/c/SixTONES_official
・SixTONES Official Instagram
https://www.instagram.com/sixtones_official/
・SixTONESソニーミュージック 公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/SixTONES_SME
・SixTONE Sony Music Official TikTok
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