“あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜
Page.01 ザスターさん

photography_Genki Arata, text_Takuya Nakatani

“あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜
Page.01 ザスターさん

photography_Genki Arata, text_Takuya Nakatani

例えばちょっと昼過ぎの、なんかモラトリアムな時間に、交差点やなんかを渡っていると『今、すれ違ったあの人、何をやっている人なんだろうな』とか気になる人が稀にいる。これだけ聞くと、どんだけ危ない思考で街を歩いているんだよ、と突っ込まれそうだが、何気なく気になる人というのは、人間の本能的な細胞的な何かが、こんがらがって脳に指令を出しているという、いわゆる1つの繋がりがある人物なのだとか(そうでないとか)。ならば話しかけてみましょう、相手は人間なんだもの。言葉通じるでしょ。そして教えてもらいましょう、あなたのこと。そう、あなたに逢いたくて、ここにカメラマン連れてテレコ片手に歩いて来てるんだよ。という連載”あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜。魅力のあるクリエイターやアーティストをEYESCREAM目線で勝手に紹介させていただく。1ページ目はザスターさん。

彼女は、大阪発の電子ブラックメタルユニットVMOに新加入した22歳(もうすぐ23歳)。2017年11月に渋谷O-nestで行われたお披露目ライブ、剥き出しで切り裂くように放つデスボイスと振り切ったパフォーマンスは衝撃だった。名前の由来はアメリカの一人ブラックメタルプロジェクト、ザスター(Xasthur)から。今年4月にはオランダで開催される世界最大級のヘヴィロック・フェスティバル「Roadburn Festival 2018」にVMOとして出演してしまうとなると、ヨーロッパの好事家たちが彼女に熱狂するのも時間の問題だ。ある日のライブとその前後、オンとオフの写真を交えながらお届けしよう。

ー簡単な自己紹介からお願いします。

山口県出身、22歳です。今は大阪に住んでいます。

ーVMOに加入した経緯を聞かせてください。

元々、山口でオーガナイザーをしていて、「(2017年の)10月にVMOが山口に来るからオーガナイズやってみる?」みたいな話になって。そこから連絡を取りはじめたのが8月くらいで、ちょうどVMOが女性ヴォーカルを探しているタイミングと自分が仕事を辞めるタイミングがぴったりだった。あとになってわかったのは、本当はVampilliaのほうで女性ヴォーカルを探していたみたいなんですけど。(註:アヴァン〜ポストブラックメタルなバンドVampilliaのオルターエゴがVMO、という関係性だ)

ー山口でオーガナイズしていたのは、どういったイベントを?

最初にやったの覚えてないな…、たぶん2年くらい前です。VMOが出演したので3回目だった。普通にお客さんとして福岡・大阪・東京とかいろんなところにライブを観にいってたんですけど。個人でイベントをしている人に憧れて、やりはじめました。

ー1・2回目はどんな内容だった?

(このインタビューのときもバンドTを着用していた)PALMとかVision of Fatimaとか、カオティック系のハードコアバンドを県外から呼んでいました。1・2回目は「センセンフコク」というタイトルで、周南のライズでしました。3回目のVMOが出たときは防府の印度洋で、「エキセントリック」というタイトルでした。

ーVMOに加入するまでは未経験だったんですよね? ステージに立つのは、どういった心境ですか。

気持ちいいです。山口にいたときも、たまに遊びでやっていて、パフォーマンスするのは好きだったので。それを本気でやれるのはうれしいです。

ー素朴な疑問なのですが、デスボイスっていきなりできるものなんですか?

できましたね。そういう声はずっと聴いていたんで。かと言って別に(デスボイスを)出すタイミングは一切なかったけど…。自分ではまだ自分の声はダサいって思ってます。ステージでは気持ち悪い動きをしたくて、今まで観てきたバンドの動きとかを取り入れたりしています。あとは声がちゃんと最後まで出し切れるように。まだまだ体力がないので。

ー音楽にのめりこんでいったきっかけというか、初期衝動的な思い出ってありますか?

中学生のときはアヴリル(・ラヴィーン)とかのポップスが好きで、そこからグリーン・デイやマイ・ケミカル・ロマンスを知っていって。高校生のときに学生バンドのライブを地元のちっちゃいライブハウスに観にいったのが最初です。そこから地元のバンドがいるっていうを知って、そのライブに行くようになってからいろんなバンドを掘り下げていくようになりました。高校の頃で、いいもの観たなと思ったのはFACTのライブ。すごいかっこよかった。ONE OK ROCKとかも聴いてました。

ーどんな高校生だった?

思い出したくないくらい楽しくない高校生でした。基本、学校っていう人がいっぱいいるところが苦手で。中学生の頃から、四方を人に囲まれて授業を受けるのが耐えられなくて。だから「私は病気だ」って言って、席替えがあってもずっと端の席にしてもらっていました。…昔のことはもう、どうでもいいです。

ー好きな食べ物と嫌いな食べ物を教えてください。

好きなものは、ラーメンと…やめます、油そばです。と、カレーです。カレーは、山口にあるKNOTというお店のカレーが大好きです。嫌いなものはトマトです。ケチャップは好きなんですけど、生のまま丸ごと食べろって言われたら嫌です。あと、葉ものの野菜も。

ー普段、家ではなに食べていますか?

料理できないんで、普段はコンビニ弁当とカップ麺とアイスです。

ー好きなカップ麺は?

塩焼きそば!

ーそこはラーメンではないと(笑)

(インスタントだと)ラーメンより焼きそば派です。

ー休みの日はなにしてる?

家から出ません。YouTubeをひたすら見てます。YouTuberが好きなので。

ーおすすめのYouTuberは?

東海オンエアですかね。あとはホラーゲームのゲーム実況を観るのも大好きです。あとは…テレビ観てごろごろ寝てます。

ーホラー好き?

ホラー映画は観れません。お化けとかが無理で。ホラーゲームの、ゾンビとか、ああいう系は好き。

ー自身ではオタク気質があると思いますか?

うーーん。アニメは、高校生のとき一番観てました。仕事しだして、全然観なくなりました。

ーなかでも好きなアニメは?

難しいな、ありすぎて。Tシャツとか買うくらい好きだったのは「キルラキル」。それとディズニーですけど、「ラプンツェル」はプリンセス系のなかで一番好き。ラプンツェルの刺青も入っています。あと漫画になりますけど、「となりの怪物くん」に出てくるヤマケンが好き。あとは「シュガシュガルーン」も。「好きな漫画家は?」って聞かれたら、駕籠真太郎ですね。最近は漫画を買うお金もなくて。漫画買うより、おいしいもの食べたいです。

ーじゃあ、お金があればなにしますか?

仕事辞めます。働きたくないです。

ー趣味は?

趣味は、ライブを観にいくことです。

ー家は出たくないのにライブはいけるんですね。

観たいバンドがいたら、それは大丈夫です。今年、たくさん観ていきたいなと思っているのは三重のSLAPDOWNっていうバンド。

ー特技は?

なにもないですよ。昔、水泳やってたくらい。背泳ぎの選手で、強化合宿でグアムに行ったこともあります。詳しく話すとばれちゃうかもしれないから…(というくらい、成績がよかったようだ)。高1で辞めましたけど。

ー刺青を最初に入れたのは?

最初に入れたのはハタチの誕生日。両方の耳に。お金があればまだまだ入れたいです。

ーでは最後にVMOに戻るとして。4月にはオランダのロードバーン・フェスティバルも待ち構えています。今後の意気込みを聞かせてください。

山口から一生出ることもなく、ぼけーっと平凡に暮らすんだろうなと思っていたんですけど。まさかこんな世界に足を突っ込むとは思わなかった。勢いで大阪に引っ越して、せっかくやるんだったら、Vampilliaには負けないようがんばりたい。昨日もVampilliaのライブを観ていて、VMOで一緒にやってる人たちが別でやってる姿を観て、メンバーなのに違うところにいる感じがしたので。語彙力が全然ないんですけど。だからそれを抜かすくらいの気持ちで、やっていきたいです。

VMO及びVampilliaの初となるインスタレーションが現在、原宿のセレクトショップ、オフショアで開催中だ。これを記念し、3月5日にはDOMMUNEにてスペシャル番組が放映されることも決まっている。

INFORMATION

VMOインスタレーション「Violent Magic Orchestra」
会期:2018年2月24日(土) – 3月6日(火)
会場:offshore(東京都渋谷区神宮前3-14-17 1F A/B)
営業時間:11:00 – 20:00 ※入場無料

Vampilliaインスタレーション「Dissection Manual」

会期:2018年3月7日(水) – 3月11日(日)
会場:offshore(東京都渋谷区神宮前3-14-17 1F A/B)
営業時間:11:00 – 20:00 ※入場無料

会期中、VMO / VampilliaとオフショアのコラボレートTシャツが限定リリース
https://www.offshore-tokyo.com/2018/03/vmoxoffshore-tee-先行予約/