“あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜
Page.02 神出鬼没のスーパーバンド、“GOD”

Photography_Norma Aratani, Edit_Asami Yamane

“あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜
Page.02 神出鬼没のスーパーバンド、“GOD”

Photography_Norma Aratani, Edit_Asami Yamane

例えばちょっと昼過ぎの、なんかモラトリアムな時間に、交差点やなんかを渡っていると『今、すれ違ったあの人、何をやっている人なんだろうな』とか気になる人が稀にいる。これだけ聞くと、どんだけ危ない思考で街を歩いているんだよ、と突っ込まれそうだが、何気なく気になる人というのは、人間の本能的な細胞的な何かが、こんがらがって脳に指令を出しているという、いわゆる1つの繋がりがある人物なのだとか(そうでないとか)。ならば話しかけてみましょう、相手は人間なんだもの。言葉通じるでしょ。そして教えてもらいましょう、あなたのこと。そう、あなたに逢いたくて、ここにカメラマン連れてテレコ片手に歩いて来てるんだよ。という連載”あなたに逢いたくて”〜EYESCREAM的人物図鑑〜。
魅力のあるクリエイターやアーティストをEYESCREAM目線で勝手に紹介させていただく。2ページ目はバンド、GOD。

まさにスーパーバンド現る。突如YouTubeにファーストアルバム『DOG』の13曲がまるっとアップされているじゃないか。早速聴いてみると、楽曲ひとつひとつのオーラと言ったら!現在耳の肥えたリスナーの間で話題になっている“GOD”を知っている人は、どれくらいいるのだろう。
気になるメンバーは、[踊ってばかりの国]の下津光史(Vo, G)をはじめとする、濱野夏椰(G / Gateballers)、jan(B / GREAT3、jan and naomi)、照沼光星(Dr / ex. QUATTRO)、日高理樹(G, Syn)の5人だった。彼らは一体なぜ一緒にバンドを…?そこで、直撃してみた。

演奏してる時、メンバーを見て笑ってしまう時ありますもん。
かっこよすぎて(笑)。

ーなぜこのメンバーでバンドをやろうと思ったのですか?

下津光史(以下・下津):始まりはフジロックです。ちょうどその場に居合わせたメンバーがこの5人で「俺らでバンドやっちゃおうか」ってノリで始めました。フジロックの二日酔いの余韻に浸りながら(笑)。あとは、日高はNYに行ってから、今ちょうど一年くらいだっけ?
日高理樹(以下・日高):うん。
下津:日高を日本に帰って来させるっていう理由が欲しくて。
日高:まじ?
下津:いや、嘘かも(笑)。でも、純粋にいいメンバーが揃ったなって思います。

ー楽曲の制作に至るまでは、スムーズでしたか?

下津:夏椰が1番「やろうよ」って頑張ってくれて、スタートできました。
濱野夏椰(以下・濱野):そうでしたね。
下津:とりあえず、レコーディングしよう。って録った曲が、ファーストアルバムの楽曲です。「じゃあ、曲できたからライブもしてみようか」って感じで進みましたね、ほとんど、初期衝動て感じ。

ーでは、1番最初にできた曲は?

下津:アルバム2曲目“badquestion”です。レゲエです。

ー最初がレゲエって言うのも、只者ではない感じが…

下津:とにかく5人でジャムりまくった結果です。いきなり8ビートになってくれとか(笑)、全部その場の感覚に任せました。
jan:その母体は、ほとんど下津と夏椰が一緒に作りました。
下津:とりあえず、コードと歌詞を置いて、みんなに料理してもらって、なので自分だけで作ったものとはまた違った楽曲になったのかな。
jan:その時まだ、日高は帰ってきてなかったよね。
下津:NYにいたので、最初は4人で作りました。日高にはできた音源データを送ったら、「めっちゃいいね!」って返ってきました(笑)。
一同:笑!
下津:それで、日高が日本に帰ってきたタイミングでレコーディングをして、すぐに全曲出来て、でもそれが2年前かな?また今回日本に帰ってきたタイミングでやっと発表しました。

ー楽曲が増えてくうちに、バンドとしてのGODの雰囲気も掴めてきましたか?

下津:いやぁ、ぶっ飛んでるなこいつら全員って思いましたよ(笑)。
jan:デモを一旦録るけど、ちゃんともう一回録音しようね。って話していたのに、そのデモの初期衝動感がすごくよかったので、そのままみんなの耳に届いたのも、俺らっぽいよね(笑)。
濱野:そうだったね。

ーすごく、いい意味で計画をしない感じが…! ではメンバーにとって、GODはどんな存在ですか?

下津:やっぱり特別ですよね。みんなそれぞれに忙しいから練習すらできない中でちゃんと集まって、尊敬しているメンバーと音楽をやると言うのは。俺は結構毎回楽しみにしてますけど。
jan:俺はやるとは一言も言ってなかったんですけど、気づいたら今です(笑)。
一同:笑!
jan:最初の相談とか無しで、スタジオいつ入る?って自然とスッと出来たってことは、この人たちとはやるべきなんだなって思いました。
下津:ほ〜!
jan:でも、音楽をやる以前のメンタリティの部分で繋がってたものがあったので、やるやらないを考える選択肢はまず無かったです。
下津:一緒にやっていて楽しくないと、バンドは無理です。
jan:何か喋らなきゃって考える関係でもないから、無言で誰かと3時間一緒とか全然あります。元々このバンド以外にも、各々自分たちのプロジェクトがあるメンバーなので、GODは自分の中の、“心の拠り所”っていう感じ。
下津:楽だよね。無理に目を合わさないですむ関係って本当に楽。
jan:音楽の休憩かつパンプアップ。そんな場所として捉えてやってきています。

ーそれは、皆さん同じ気持ちですか?

濱野:ギターを思いっきり弾けて楽しいです。
照沼:…僕もです。
下津:僕もです。て(笑)!
濱野:4人全員かっこいいので、負けないようにっていつも感じています。
jan:確かに、みんながみんな、あいつのプレーかっこいいなこいつのプレーかっこいいなって小さな感動が絶えず、蓄積されている感じはあります。
下津:そう、メンバー見て笑ってしまう時ありますもん。まじでかっこよすぎて(笑)。なんやこいつ!こんなメンバーで本当にライブやっていいんか?って思います。
一同:笑!!
jan:実は見た目倒しじゃないんです。音楽に影響を与えているみんなのスパイスがたくさんあって、日高なんてね、「えっ何!?」って音引き出すのが上手いです。
日高:めっそうもない。楽しいです。
jan:面白いなって思ったのは、普通出来た曲の印象が強ければ強いほど、演奏が曲に寄り添っていくことがありがちなのですが、GODに関してはみんな各々音で歌っている。そりゃ多少歌を気にした演奏になっていると思うけど。それがほぼないのがすごくない?
下津:そうだね。みんな目立つ。だからスーパーバンドだと思います。5人が1つの音楽をやっても最高だし、それぞれの音が粒でも感じる。
jan:遠慮のない戦い(笑)。

ーみんながみんなリスペクトできるって最強ですね。

jan:心の拠り所って話しに戻りますけど、ビーチでのんびりみたいな感覚ではなくて、汚染された魂を浄化させる場所。というのが一番近いかな。山登りは大変だけど、新鮮ないい空気を吸える。
下津:GODで純粋な空気を吸ってます。
濱野:クレンジング。
照沼:笑。
jan:デトックス。
下津:サウナ!

ーもしかしてビューティーバンドですか…(笑)?

下津:俺らってビューティーバンドなん?
一同:笑!

日常の影響は楽曲にもろに受ける。
どうなるんだこいつら!って楽しんでもらえたら。

ーセカンドアルバムも制作中なんですよね?

下津:…そうです。もう、出すってことにしましょう!出さなきゃだめ!
jan:ファーストと同じタイミングに出来たものがあって。一曲36分?

ー36分?!

下津:そう“デジャヴ”って曲が36分です(笑)。それをセカンドにしようって、また現時点で他に作ってるやつもあって、それは1から全員で作ってるのでまた雰囲気もファーストとは変わってくると思います。
jan:だから今制作中は、サードアルバムになりますね。タイトル“GOOD”でいい?
下津:GOOD?!ちょっと待て、それ面白すぎんやろ。それにしよう!
日高:GODの“GOOD”(笑)!
照沼:ただのダジャレ(笑)。

ーファーストアルバムの「DOG」の由来は?

jan:下津くんの歌詞で、犬の事をいっぱい歌っている事もありますし。我々がレコーデシングしていたスタジオの、マックスっていう犬が亡くなってしまって。マックスを想って付けたと言っても過言ではない。
下津:急に真面目な感じにして(笑)。
日高:実は、GODってバンド名も、GODじゃなくて“Gangs of Dance”の略なんですよ。
一同:爆笑
jan:まじ!?
下津:カッコいいねそれ!ダサカッコいい?

ー新曲を絶賛制作中と聞いて今とても嬉です!いつ活動するのかすらわからない神出鬼没なイメージなので。

下津:誰かが死なない限りはやります。メンバーが変わるなら考えなきゃいけないですけど。
jan:でも、うちらを知ってくれてる人には本当に安定感ないから、やばいぞって思っていてほしい。
下津:やばいぞって(笑)。いつどういう磁場の変化があるかわからんからな。
jan:だって誰かが突然エジプトに引っ越してもおかしくないメンツでしょ?
日高:(笑)。
下津:分かりやす!
jan:マラリアにかかってしまいました。とか言い出しそうだもん。そんなことも俺らならありえるかな、って思っていて欲しい。
一同:笑!
下津:要するに、自由奔放なんですよ。
jan:そこにドキドキ感を感じてもらいたい。自分もドキドキしているから。
下津:そうだね。どうなるんだこいつら!ってニヤニヤしていて欲しいです。

ーもうすでにGODの楽曲を知ってしまった瞬間から、ニヤけが止まらないです。

濱野:そしたらちゃんとサードは、夏ぐらいに録りましょう!
下津:お、そうしよか。あとは、日高が日本にいればですね!

ー次の来日のタイミングはいつですか?

下津:来日(笑)。どこの誰やほんま、ポール・マッカートニーか日高!
一同:爆笑!
日高:でも、夏くらいには日本に帰ってこようと思っています。
jan:ついに帰国ですね。
HIDAKA:ファーストは、下津の曲をみんなでやってる仕上がりになったのですが、せっかく仲間がいるので、そうじゃないことも出来たらいいねって話しもしていて、今NYに住みながら、たまに帰ってきてたまにスタジオに入って、ライブしてってやっていますが、普段から一緒に過ごして曲作りするほうが、バンドとして正しいのかなって思いました。
下津:なるほどな。
日高:なので次のアルバムは、ファーストの「DOG」と少し違うのが出来ても、すごい面白いと思います。
jan:絶対そうなると思います。もっと深いところを掘り下げて、全員の瞬間的なところにあるモノを出していけたらいいなと思います。
下津:コードをバン!っと落としただけじゃなくて。分解して、音楽を考える。ってことが必要かもな。

ーさらに面白くなっていきそうですね。

日高:面白くなるかは、わからないです。
下津:だけど、やってみたい。
jan:もしかしたら、40分間ずっとツッ ツッ ツッ ツッて鳴ってるだけかもしれないし。
下津:それも、俺らならあります。

ーあるかもしれない。それがGODですね。

jan:みんながみんな、怠惰な生活に留まるのが苦手なので、エキサイティングなものに自然と行っちゃうんですよね。そのエキサイティングな生活が、あってこそのGODの音楽です。
下津:グループの勝手な一人歩きは、ある意味止めたくないですね。
jan:足取りを残しつつ、踏まえた上でより、アーティストとして深いところを詰めていくというプロセスを楽しみたい。
下津:そんなことを言いながら、どうなるかわからないのがうちらですけどね。ただあるのは今、現時点。

『DOG』のリリースツアーの最終日東京UNIT、この日のライブも本当にすごかった。今日まで、5日間連続でステージ立つ下津の声は、消尽スレスレ。だが、それが逆に楽曲の持つ本質を露わにし、純粋に彼らが伝えたい音楽が波動のように広がる。インタビューにもあったように、ひとりひとりの気迫に圧倒される。次から次へと音が音を追い越していく感覚に全身がシビれる。

と、ここまでインタビューを書いておいてなんだが、本当のところGODを伝えるのに言葉で説明するのはナンセンスかも。ということで、最高の音があるということ、あとは写真家・荒谷ノーマによるフォトレポートで、感じて欲しい。


GOD 1st FULL ALBUM 『DOG』

INFORMATION

GOD
Vo. Gt. 下津光史(踊ってばかりの国)/ Gt. 濱野夏椰(Gareballers)/ Ba. jan(GREAT3、jan and naomi)/ Dr. 照沼光星 / Gt. Syn. 日高理樹
Twitter : @GODxxxxxBAND