ギターとベースの奏者、そのギターとベースを製作する職人（＝マスタービルダー）とクラフトマンシップにスポットライトを当てた過去に例を見ないビッグイベントが挙行された。『フェンダー エクスペリエンス 2025』。

2023年6月にグランドオープンしたフェンダー世界初の旗艦店である東京・原宿のフェンダー フラッグシップ トウキョウに、同エリアのランドマーク・ラフォーレ原宿と表参道ヒルズの3ロケーションで、10月11日（土）・12日（日）・13日（月・祝）三連休の3デイズという規模感も型破り。

フェスと言っても言葉の綾ではない本イベントは、2018年・2019年に開催された、フェンダー最高峰のギター・ベースを生み出すフェンダーカスタムショップの祭典『Fender Custom Shop Experience』を礎とし、今年はFenderブランド全体へと拡大。企画・規模・体験価値のすべてがアップグレードされた形で開催されたのだ。

“EXPERIENCE”＝体験・経験と銘打っているだけあり、ただ楽器を展示するエキシビションにあらず、豪華アーティストやスペシャルバンドよるライブパフォーマンスとトークセッション、レジェンドミュージシャンに慕われる卓越のマスタービルダーが主宰するワークショップとデモンストレーション、ギターデザインコンテストなどなど、観て・聴いて・触れて・感じる体験型ラインナップをオンパレードに構成。にもかかわらず、どのコンテンツもノーチャージ！　その名場面をダイジェスト!!

10月11日（土）
11:30 – 13:00　1部：オープニングセレモニー｜2部：令和ロマン＋高木祥太＆いけだゆうた（BREIMEN） LIVE & TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー
11:45 – 12:45　かずき / ギターのある暮らし TALK SESSION─ラフォーレミュージアム原宿
12:00 – 13:00　弓木英梨乃 TALK SESSION─フェンダー フラッグシップ トウキョウ
14:45 – 15:45　アンディ・ヒックス MASTER BUILDER WORKSHOP─ラフォーレミュージアム原宿
15:00 – 16:00　丸山隆平（SUPER EIGHT）×デニス・ガルスカ MEET THE MASTER BUILDER─表参道ヒルズ スペースオー
18:00 – 19:00　NEE LIVE & TALK SESSION─フェンダー フラッグシップ トウキョウ
18:30 – 19:30　草刈愛美（サカナクション） TALK SESSION─ラフォーレミュージアム原宿
19:00 – 20:00　Chilli Beans. LIVE & TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー

オープニングセレモニーを発起人であるフェンダーミュージック代表取締役社長アジアパシフィック統括のエドワード・コールが巻いてくれたお陰で、本イベントの“バンドを始めよう！”というテーマの下に結成された令和ロマン（髙比良くるま・松井ケムリ）＋BREIMEN高木祥太＆いけだゆうたのスペシャルバンドが早めに登場。
ボーカルのくるまはギター初心者ながら2曲を終えた後、MCのジョー横溝から「むちゃむちゃほっとしている感じが伝わってきていますけど（笑）」と慰めといじられ半々でも、アンコールまで3曲を熱演！

　『ギターのある暮らし』（https://www.youtube.com/channel/UCbnZnyao-VPjoVrIpufKx9w）のユーチューバー・かずきやギタリスト・弓木英梨乃のトークセッションに続いて、SUPER EIGHTのベーシスト・丸山隆平がポール・マッカートニー、ジョニー・マー、スティングらを手掛けてきたマスタービルダーのデニス・ガルスカと自らの音探し。
ラフォーレミュージアム原宿ではサカナクションの草刈愛美が音楽観を紐解くレアなチャットショーを視聴でき、初日のラストはチリビのチャーミングなライブで締め。

10月12日（日）
11:45 – 12:45　Rei TALK SESSION｜ギターデザインコンテスト表彰式─ラフォーレミュージアム原宿
12:00 – 13:00　すぅ＆山内あいな（SILENT SIREN） TALK SESSION──フェンダー フラッグシップ トウキョウ
12:00 – 13:00　吉川晃司×ポール・ウォーラー MEET THE MASTER BUILDER─表参道ヒルズ スペースオー
14:30 – 15:30　HISASHI（GLAY）×アンディ・ヒックス MEET THE MASTER BUILDER─表参道ヒルズ スペースオー
14:45 – 15:45　デヴィッド・ブラウン MASTER BUILDER WORKSHOP─ラフォーレミュージアム原宿
18:00 – 19:00　乃紫 LIVE & TALK SESSION─フェンダー フラッグシップ トウキョウ
18:30 – 19:30　鈴木 茂（SKYE） TALK SESSION─ラフォーレミュージアム原宿
19:00 – 20:00　MIYAVI LIVE & TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー

2日目は実力派のReiや、サイサイのすぅ＆山内あいなのトークセッションで始まる。「ギターを弾けたら、宇宙まで行ける」と思っていたとギターとの出会いを話す吉川晃司が“MEET THE MASTER BUILDER”に登壇し、数ある所有の中から1958年製のストラトキャスターを実演。

U2のアダム・クレイトン、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズとロニー・ウッドらを担当するマスタービルダーのポール・ウォーラーにも「グッドチョイス」と太鼓判を押され、還暦を迎えた自身へ贈る渋いナチュラルな木目のテレキャスター・シンラインを製作することが決定。

GLAYのHISASHIは本気で悩んだ末、「僕的にはこれがギターの最終形じゃないかな」と、アイアン・メイデンのデイヴ・マーレイなどに携わってきたアンディ・ヒックスにボリュームノブの位置や「トレモロアームは使わないけど、バネ鳴りはほしい」などの繊細なディテールをリクエストしつつ、ストラトでは珍しい24フレット仕様をオーダー。

さらにシンガーソングライターの乃紫や名ギタリスト・鈴木 茂のトークに、トリはギターを自分の刀と語るMIYAVIが圧巻のライブパフォーマンス。

10月13日（月・祝）
11:45 – 12:45　デニス・ガルスカ MASTER BUILDER WORKSHOP─ラフォーレミュージアム原宿
12:00 – 13:00　KT Chang（Elephant Gym） TALK SESSION─フェンダー フラッグシップ トウキョウ
12:00 – 13:00　春畑道哉（TUBE）×Ken（L’Arc-en-Ciel） TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー
14:30 – 15:30　J（LUNA SEA） TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー
14:45 – 15:45　INORAN（LUNA SEA）×デニス・ガルスカ TALK SESSION──ラフォーレミュージアム原宿
17:30 – 18:30　山本彩×デヴィッド・ブラウン MEET THE MASTER BUILDER─ラフォーレミュージアム原宿
18:00 – 19:00　音羽-otoha- LIVE & TALK SESSION─フェンダー フラッグシップ トウキョウ
18:30 – 20:00　斎藤宏介（UNISON SQUARE GARDEN / TenTwenty）＋Fender Special Band 山内総一郎×斎藤宏介×加藤隆志（東京スカパラダイスオーケストラ） LIVE & TALK SESSION─表参道ヒルズ スペースオー

現在、グローバルで12人しかいないフェンダー・マスタービルダーの一人、デニス・ガルスカによるベースセッティングのワークショップに、台湾・高雄出身のポストロックバンド・Elephant Gym（大象體操 / エレファント・ジム）でベースを務めるKT・チャンのトーク企画からスタートした最終日も豪華な顔ぶれは引きも切らず。

普段親交のあるチューブの春畑道哉とラルクのKenが初共演を果たし、後半のセッションパートでは2人でアコースタソニックを手にジャム。今年9月にフェンダーカスタムショップ製のシグネチャーモデル“J Precision Bass® King’s Red Sparkle”と“J Precision Bass® PJ, King’s Red Sparkle”の2機種をローンチしたルナシーのJは『ベースを語る。』と題したカンバセーションでファンを聞き惚れさせた。

次のトークショーでは、ルナシーのINORANがこれまでにリリースしてきた4本のシグネチャーすべてを担ったマスタービルダーのデニス・ガルスカと久々の再会し、“MEET THE MASTER BUILDER”ではシンガーソングライターの山本彩がマスタービルダーのデヴィッド・ブラウンに公開カスタムオーダー。

フェンダー フラッグシップ トウキョウ地下での音羽-otoha- のステージを経て、オーラスはフェンダーアーティスト・パートナーシップが発表された斎藤宏介（UNISON SQUARE GARDEN、TenTwenty）が、“フェンダー・ファミリー”の先輩である山内総一郎と加藤隆志（東京スカパラダイスオーケストラ）を率いてトーク＆ライブ！　

そこに、ラルクのKenがサプライズでジョイン!!　パフォーマーにとってもオーディエンスにとってもハンズオンな『フェンダー エクスペリエンス 2025』のクライマックスに相応しいクリエイティブなギグとなった。

実機展示アーティスト　※五十音順
・新井和輝（King Gnu）
・INORAN（LUNA SEA）
・忌野清志郎
・小笹大輔（Official髭男dism）
・吉川晃司
・草刈愛美（サカナクション）
・Ken（L’Arc-en-Ciel）
・J（LUNA SEA）
・SUGIZO（LUNA SEA）
・常田大希（King Gnu）
・直井由文（BUMP OF CHICKEN）
・春畑道哉（TUBE）
・HISASHI（GLAY）
・丸山隆平（SUPER EIGHT）
・MIYAVI

全レパートリーに溢れていたのは音楽への、ギターへの、ベースへの、ピュアな初期衝動。バンド始めようぜ！