ART 2022.04.13

90年代初頭より活動する国内グラフィティシーンのパイオニア、snipe1の個展「METASPIRAL:M̷O̷R̷A̷L̷ -n- D̷O̷G̷M̷A̷」が開催

©️snipe1
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

90年代初頭に10代でNYグラフィティシーンに身を投じ、活動の拠点を日本に移したのちも、国内におけるグラフィティカルチャーの興隆に尽力してきたグラフィティライター/アーティストsnipe1による個展「METASPIRAL:M̷O̷R̷A̷L̷ -n- D̷O̷G̷M̷A̷」が、4月24日より神宮前HARUKAITO by ISLANDにおいて開催される。

近年は現代アートの世界でも評価が高く、2018年には自身初となるソロエキシビションを村上隆が運営するHidari Zingaroにて開催したほか、SIDE CORE企画「そとのあそび展〜ピクニックからスケートボードまで〜」(千葉・市原湖畔美術館)にも参加。以降もLA、NY、バンコク、香港、メルボルンなど世界中の前衛ギャラリーにおいて展示を行っている。

「そとのあそび展~ピクニックからスケートボードまで~」より(市原湖畔美術館、2018)

高山明 Port B「ワーグナープロジェクト」より(金沢21世紀美術館、2022)

本展では、コロナ禍に加え戦争まで行われることになった現在を、アーティストとしての姿勢で応答する。以下、アーティストからの言葉だ。

令和4年東京、事態は深刻である。
我々の生きるこの世界は、先人達が作り上げた道徳や規律が根本から壊され、建て直されようとしている。
NEW NORMALと称して、新しい道徳(MORAL)や規律(DOGMA)がONE(NEW) WORLDから与えられ、疑わず受け入れられ、また新たに作られている真っ只中にある。
それが良いか、悪いかは私たちの子孫がやがて判断することなのであえてここでは触れずにおく。

道徳や規律、過去から未来へのスパイラルが折り重なる現在において、何をどのようにアートという媒体を使い、訴えられるか。
それはファンダメンタルとしての実験の場所でもあり、アートという可能性を少しでも信じてやまない願いでもある。
その作品群を見て過去の先人達や未来の子供達に堂々と胸を張って訴えられるかが、今回の展示での最も重要なポイントとなることだろう。

売れるか売れないかではなく、気持ちが大きく動くか動かないか。
これこそが最も今、自分がスプレーを武器にアートという手法で訴えかけていく宿命を背負い、描き続けるモチベーションとなっている。

マイノリティな意見もあるし、イリーガルなこともある、でもそれは必然的でこの社会にとって無意識的に必要な現象とも言えるだろう。
NYの歴史学者ハワードジンはこう言っている、、、
“Protest beyond the law is not a departure from democracy, it is absolutely essential to it”
“法律を超えた抗議を行うことは民主主義からの逸脱ではなく、これもまた民主主義において必要不可欠な要素なのである”
要は現状の押さえ付けられた道徳や規律を変えたいのならば、己を変えるか、道徳や規律を超えてアピールするべきだとも解釈できる。
勿論、これらの道徳や規律を破れば罰せられる世の中なのはご存知の通りだが、そう言った”行為”に限って多くの人の心を動かすことも我々は知っている。

こう言ったスパイラルに生きる我々はこの先もこのような矛盾に苦しまされるであろう。
でももし今起こそうとした”行為”が道徳や規律から逸脱していたとしても、決して諦めないで欲しいと想う。

あなたの”行為”は正しかったと言われる日が来ることを願い、作品群は全て社会に向けた鏡となっている。
植え付けられた先入観もまたしっかりもう一度精査し、己を疑い、選択をし、信じ続けて欲しい。
イマコソメザメン、ケンリノウエニネムルモノタチヨ!! NO FUCKING WAR!!!!

MIDORISO「UNWRAPPING PROJEKT」(2021)

INFORMATION

snipe1「METASPIRAL:M̷O̷R̷A̷L̷ -n- D̷O̷G̷M̷A̷」

会期:2022年4月24日(日) – 5月29日(日)13:00 – 19:00
休廊:月、火、水、5月5日(木)〜5月8日(日)
会場:HARUKAITO by ISLAND(東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F)
主催:アイランドジャパン株式会社

POPULAR