CULTURE 2025.06.25

Interview:般若 × キンカン、三軒茶屋で紡ぐ異色のコラボレーション楽曲が誕生

EYESCREAM編集部
Photography_Yohji Uchida、Text&Edit_Mizuki Kanno

東京は三軒茶屋の地で創業99年の歴史を誇る「キンカン」と、同じく三軒茶屋で生まれ育ったラッパー・般若。この異色のコラボレーションが実現し、般若の代表曲「地元の唄」のキンカンRemixが誕生した。そのMVは全編三軒茶屋で撮影され、般若の幼少期を彷彿とさせるシーンから、三軒茶屋の街並みを背に力強く歌い上げる現在の姿までを捉えている。EYESCREAMでは、MVの撮影の裏側を取材。般若×キンカン×三軒茶屋が交差する写真と共に、今回のコラボレーションについての両者のインタビューをお届けする。

「自分の幼少の頃の忘れられない思い出とキンカンが結びついた」

ーキンカンとのコラボレーションについての率直な感想を教えてください。

「三軒茶屋で生まれ育った人間にとって、キンカンの本社が三茶にあることは承知の事実で、自分にとっても幼い頃から身近な存在でした。うちはキンカンが冷蔵庫に入っていて、怪我したり、何かすると母親に『塗れ!』って言われていましたよ。なので、今回ご一緒できたことで、そういった幼い頃のことを色々と思い出しました」

ー般若さんにとって三軒茶屋はどんな場所ですか?

「三軒茶屋は昼と夜でまったく違う顔を見せるんですよね。昼間は子どもや学生も多い穏やかな街ですが、夜になるとやっぱり飲み屋街というイメージが強い。もともと三軒茶屋は、渋谷みたいな都会での遊びに飽きた人たちが集まってくるような場所だったと思うんです。でも今は、三軒茶屋でスタートして、3軒、4軒とハシゴする強者が増えてきましたね。でも新しい店が増える一方で、昔からある店はいつ行っても変わらない。人も街も、新旧が入り乱れているところが三軒茶屋の面白いところだと思います。オレも昔から変わらず行きつけのお店が三軒茶屋にはありますが、そこは教えられないですね(笑)」

ー今回、「地元の唄」のキンカンREMIXということで、新たに歌詞を書き下ろされていますが、特にこだわった箇所を教えてください。

「リリックに『蜂に刺された』っていうエピソード、あれ実話なんです(笑)。小学校1、2年生の頃だったかな。三軒茶屋の保育園の近くで蜂が死んでると思って、一緒にいた友達が『あれ、死んでるかどうか確かめて』って言うんで触ったら生きてて。俺が刺されました。その友達の強面のおじいちゃんがキンカンを持ってきてくれて。懐かしい思い出です」

ー三軒茶屋のご家庭にはやっぱりキンカンが常備されているんですね。

「本当にそうでしたよ。キンカンさんからこのコラボの話をもらった時、正直最初は悩んでいたのですが、色々考えた結果、これはやるべきだと思いました。自分の幼少の頃の忘れられない思い出と結びつくなんて、素敵な話ですよね。2年前に「地元の唄」をリリースした時点で、三軒茶屋のことは全部言い尽くしているんで、今作ではキンカンが何世代も超えて引き継がれていることを伝えたいと思いました。自分が出した曲をリミックスしてまた新しいバースを書くって、結構難しいんですよ。難しいんですけど、今回は忠実にできました」

今回の企画の発起人であるキンカンの広報担当、鈴木さんと河野さんにもお話を伺った。

ー改めてキンカンを生産する「金冠堂」について教えてください。

鈴木さん:私たちの会社は今年、創業99周年を迎え、もうすぐ創業100年を迎える家庭薬メ-カーです。中でも、代表商品の「キンカン」(販売名:キンカン、第2類医薬品)は長年、愛されている塗り薬なんです。虫さされやかゆみはもちろん、肩こりや腰痛、さらには打撲やねんざにも使えます。

ーキンカンの魅力はどんなところにあると思いますか?

河野さん:ご使用いただいた直後の「使用感」ですね。どこにもないこの独特の清涼感が、とても良いとご評価いただいています。かゆみだけでなく肩こりにも使えるので、夏場だけでなく1年を通して使っていただけるという点も魅力なんです。

ー今回、般若さんとのコラボレーションに至った経緯を詳しく教えてください。

鈴木さん:もっと若い方々にもキンカンを知って使ってほしいという思いがありました。そのためにはユニークで尖ったプロモーションが必要と考え、幅広いファン層を持つ般若さんのお力をお借りすることになりました。私たちの本社と、般若さんの出身地はどちらも三軒茶屋。そんな“地元”のご縁が、今回のコラボレーションにつながったのです。

ー「地元の唄」のキンカンREMIXを聴いた際、どのような印象を受けましたか?

鈴木さん:めっちゃくちゃカッコよくて、社内で盛り上がりました。イントロから一気に般若さんワールドに引き込まれ、曲のラストで「キンカン」というワードで締めてくる。さすがだなと思いました。

ー今後も三軒茶屋と連携してプロモーションを行っていく予定はありますか?

河野さん:そうですね、私たちは三軒茶屋に根付いた企業ですので、今後も尖ったプロモーションには積極的にチャレンジしていきたいと考えています。

INFORMATION

「地元の唄 -キンカンRemix-」

金冠堂:https://www.kinkan.co.jp/

-->