東京を拠点として活動するBLAST JAMS!! CREW。彼らは”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS”を掲げたユースDJクルーで、全国各地でパーティやDJ活動を行っている。ヴィンテージミュージックのカルチャーをユースの手で世間に伝えるべく活動しているレジスタンスたちだ。現在のメンバーは笹井トシオ、takuma、ヒラノツヨシ、ゴーゴージュリー 、Shinyah、MACHI、WOODCHUCK、7名のDJとクルーのフォトグラファーとしても活動しているYui Nogiwa。
今まではアンダーグラウンドで活動してきた彼らだが、10月11日に恵比寿のLIQUIDROOMでデカいパーティ”BLAST JAMS!! 2020″を開催する予定、、、であったが、コロナ禍を受けて場所を変更し配信イベントとして開催した。
BLAST JAMS!! CREWの連載”WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW”。今回で12回目、ファイナルでございます。約1年に渡ってお伝えしてきた連載の締めくくりはイベントレポート。さっそくいってみましょう!
BLAST JAMS!! 2020。コロナのアホったれのせいで悔しくもリキッドルームでの開催を断念し無料配信に切り替えた形で開催されたイベントについて、当日の会場風景、配信されたライブの模様をフォトレポート形式でお伝えしたい。出演したバンド各々の音楽性やルーツ、ファッションについては連載でお伝えしてきた通りなので、この機に読み返していただければ幸いだ。
会場は下北沢BASEMENT BARとTHREE。この2会場開催は、これまでBLAST JAMS!!が年末にオールナイトで開催してきたイベントで使用していたハコであり、言わばホームとも言える。配信イベントはまず、笹井トシオのDJタイムからゆるりとスタートした。
ライブハウスには出演するバンドや、そのスタッフや関係者も現場の熱を味わいに遊びに来ていて。何だか配信というのに、クローズドの音楽パーティに紛れ込んでしまったような感覚に見舞われた。
submarine dog
配信ライブはBASEMENT BARステージのsubmarine dogからスタート。柔らかく温かい雰囲気でBLAST JAMS!! 2020がスタートした。爽やかなオリジナルのポップなカントリーミュージック、きっと配信で見ていた人も笑顔になったことだろう。
999999999
続いてTHREEに999999999が出演。いやぁ、これがもう2番手なのに、良い意味で盛大にやらかしてくれた。Vo、VOLTはオーディエンスのいないフロアを縦横無尽に動き回りながら熱過ぎるライブを展開。ステージとの上下差を巧みに使ったハードコアアクトだ。紅潮し続けるボルテージそのままに暴れ続け、果てはカメラに付いていた配信コードを打ち抜き、映像がブラックアウトするなどの想定内過ぎるハプニングを良い意味で勃発させたわけだが、ここで自分としては「あ、BLAST JAMS!! 2020、ぶっ壊れてきやがったな」とか思ってた、良い意味で。終演後、楽屋付近で『やらかし過ぎたんじゃないか……』と、ちょっとモジモジしていたVOLT氏には、ひとさじの可愛らしさが、悪い意味であったことを追記しておく。
THE NUGGETS
さて、BASEMENT BARでのTHE NUGGETS。もう、さすがの立ち居振る舞いである。配信であることを逆手にとり、収録カメラを活かしたエンタメで、バンドの”らしさ”全開にショーを展開。印象的だったのは対バン相手が彼らのライブを楽しみ、笑い、拍手をバンバン飛ばしていたこと。THE NUGGETS、強し!
Drop’s
DJタイムを挟んでTHREEではDrop’s。イベント唯一のガールズバンドだったわけだが、存在感は1、2位を争うほど。しっかりと歌を伝え真摯にステージを舞う姿には、配信云々関係なくライブをやり抜くというライブバンドの矜恃を感じさせた。対バンの出演者たちがDrop’sのステージを見入っている姿も印象的。それだけ引き込まれるステージだった。
THE TOKYO
BASEMENT BARに漢登場。THE TOKYO。これまた、配信だからどうのなんてことは一切お構いなしの徹底的にストレートなロックライブ。現場にいた自分はもちろん、その熱気が伝播してクラってしまったが、それは配信動画でも同様だっただろう。ライブハウスでも家でも拳を上げたくなる。そんな30分間を経て、再びTHREEへ。
RESERVOIR
この日が女性ドラマーの正式加入後のライブとなった新生RESERVOIR。ショウヘイナガノの真っ直ぐに視線をフロア(カメラ)に向けて歌い上げる姿は、やはり何度見ても心に込み上げてくるものがある。シンプルで胸に響く日本語歌詞と、それを支えるバンドの演奏が噛み合い、どこかノスタルジックな気持ちにさせられた。
イベント後半戦前にBLAST JAMS!!クルーによるDJタイム。時刻は20:30を回り、いよいよ現場の方もパーティの楽しい雰囲気が充満してきた。もちろんコロナ禍を踏まえた配慮をしながら、ですけども。各々、出演者同士、互いのライブや近況を話し合ったり、ここでしかできないコミュニケーションを楽しんでいる光景を見ると、やっぱり現場っていいよな、と痛感させられる。
ALI
BASEMENT BARに黒服ズラリ。ALIのライブがスタート。連載でも笹井トシオがALIについて「ヘッドライナー」と表現していたが、まさしくその通りのステージだった、としか言いようがないほど興奮させられた。GOMESSをステージに招いての「Wild Side」。Dos Monosの3人を巻き込んでデジタルリリースしたばかりの「Better Days」。一時的に約10人の演者がステージにいるという視覚的にも強烈な時間だった。フロアで見ていた関係者や共演者も自然に身体がユラユラ揺れ、次第に会場全体で大きな一体感が生まれていた。なるほど、マジックである。
JOHNNY PANDORA
THREEのトリを務めるのは個人的にもっともBLAST JAMS!!らしさを感じさせるJOHNNY PANDORA。そのサムライロックンロールは、ちょっと変な言い方になるが、ロックな不良の色気に満ちていて、ちょっと他バンドの空気とは異なる様相に。メンバー各々のアクトの統一感、統制の取れたステージはひと言にロックバンドのライブと片付けてしまうにはもったいないほどの高い完成度を誇り、いつまでもステージを眺めてしまうような不思議な高揚感を覚えた。
THE THROTTLE
そしてイベント大トリはBASEMENT BARでTHE THROTTLE。カヴァーを含め、様々な種類ロックナンバーを武器にする彼ららしく、次々に表情の異なる楽曲を繰り出してアグレッシブに攻め続けていた。その姿、威風堂々。Vo、RYO-CHANGのスキンヘッド姿に日本人魂を感じさせられつつ、本イベントの締めくくりに相応しいロックパーティを展開させてみせた。ギミックなしのパッションで突き進むライブに胸熱。この熱はインターネットを通じて、多くのご家庭に届いたことだと思う。
この日はMachineのP.B.Zが脱退が決まっており、現体制のラストステージでもあった。そんなこともあってか(これは配信されたのかどうかはわからないが)ライブ終了と同時に、P.B.Zは共演者やその場にいた仲間にフロアで胴上げされ、門出を祝われる事態に。きっと持ち上げていたみんなは、ものすごく重かったと思う。っていうか、BLAST JAMS!!のイベントなのに、自分たちの舞台にしちゃダメじゃない、そういうとこだぞ、ザスロ!
最後はBLAST JAMS!!クルーによるDJタイムと笹井トシオからの挨拶。「BLAST JAMS!! 2021。来年、絶対やります」と力強く宣言し、イベントの幕が閉じた。
いや、しかし、ホント。この連載をスタートさせた1年前には、世の中がこんなことになってライブが、おいそれと出来ないような世界になるなんて夢にも思わなかった。世の中、何が起こるかわからないって話だが、それは何も悪いことだけに言えることではなく良いことにも言えるだろうから、今後思いもよらないような良いことが、BLAST JAMS!!クルーをはじめ、対談でご協力いただいた出演9バンドに起こることを祈ってます。
いや、別に祈る必要もないか。
彼らがやっている音楽はそれぞれ個性的で脳裏に残るし素晴らしい。それらを引っくるめたBLAST JAMS!!のシーンは強烈にカッコいい。もう事実としてカッコいい。
このマジな連中がいる”場所”は絶対に今後大きくなっていくと信じている。
Archive
Vol.11 Talk session with 999999999
Vol.10 Talk session with ALI
Vol.09 Talk session with THE TOKYO
Vol.08 Talk session with RESERVOIR
Vol.07 Talk session with JOHNNY PANDORA
Vol.06 Talk session with submarine dog
Vol.05 Talk session with THE NUGGETS
Vol.04 Talk session with Drop’s
Vol.03 Talk session with THE THROTTLE
Vol.02 Talk session with Tokyo Rockin’ Crew&NIGHT FOX CLUB&Atsushi
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai