Dear Upcoming Actors #04 祷キララ

photography_Takao Iwasawa, styling_Hideyuki Kanemitsu, hair&make_Kentaro Katsu, text_Yuri Matsui, edit_Takuya Nakatani

Dear Upcoming Actors #04 祷キララ

photography_Takao Iwasawa, styling_Hideyuki Kanemitsu, hair&make_Kentaro Katsu, text_Yuri Matsui, edit_Takuya Nakatani

いま、若手俳優たちがおもしろい。きらり光っている。ってことで、これからのスクリーンを賑わせるアップカミングな役者を追った、というよりも彼ら/彼女らへのラブレター的に編んだシリーズ「Dear Upcoming Actors」。第四弾は、2000年生まれの祷キララが届ける相手。ゆるやかに真っ直ぐに会話したのち、夜の渋谷を奔放に駆け巡ってもらった。

監督に「キララも出たい!」って
言ったらしいんです

—9歳で初めて映画に出演されています。

柴田剛監督の『堀川中立売』という映画です。きっかけは7歳の頃、柴田監督の映画を観に連れていってもらったことでした。まだ小さかったんですけど、その映画を観ているあいだ、すごく楽しくて、嬉しい気持ちになって。観終わったあと、監督に会う機会があったときに「キララも出たい!」って言ったらしいんです。そうしたら監督が面白がってくれて、9歳のときに出演させてもらうことになりました。

—初めての現場について覚えていますか?

鮮明に覚えているわけじゃないんですけど、初めて会う人たちに囲まれて、シーン番号を書いたカチンコや大きなカメラがあったり、ベンチコートを着させてもらったり、全部が初めての経験で、ワクワクしていましたね。その作品がきっかけになって、その後もいろいろな作品に出演させてもらったんですけど、自分がずっと女優を続けると思っていたわけではなくて。

自分が心の底から好きだと思えるもの

—何か転機となるような出来事があったんでしょうか。

ある映画のグループオーディションを受けたんです。オーディションのための課題台本があって、10人ずつくらいでいくつかのグループに分かれてお芝居をするんですけど、役が固定されていなくて、順番にいろんな役を演じていく形でした。たくさんの人がオーディションを受けに来ていたから、待ち時間があって、自分が演じた役やこれから演じる役を、他の人が演じているのを見ることができたんですけど、自分がそれまでに思っていたよりも、すごく些細なことでシーンの印象が変わるんだなって肌で感じました。例えば、ちょっとした表情の差や、瞳の揺れ方、まばたきの回数や、その人が持っている声の高さ、間の開け方で、同じ役を演じていても別物になる。それにグループで演じているから、1人役者が変わったら、一緒に演じている他の人たちの受け止め方が変わって、みんなの芝居が変わってくる。そういうことが積み重なって作品ができると考えたら、演じることってすごく面白いんだなと思ったんです。

—ワークショップ的な形式のオーディションだったことで、これまでにない気づきを得ることができたんですね。

それが高3のときだったから、ちょうど進路の授業がいっぱいあって。「大学に行ったほうがいい」って先生は言うけど、そのときは自分が大学に行って何を勉強したいのかわからなかったし、だからといって、何かのめり込めるほど好きなものがあるわけじゃない、その状態がすごく嫌でした。そんなタイミングでそのオーディションを受けて、演技の面白さを知って、生まれて初めて自分が心の底から好きだと思えるものを見つけられました。そのオーディションには受かったんですけど、撮影期間がずれて高校のテスト期間とかぶってしまって……。学校を優先するって決めていたから、結果的にどうしてもお断りするしかなかったんです。だから、そのときに感じた悔しい気持ちも、今の原動力になっているかもしれません。

演じるなかで「嘘をつかないこと」

—演じる上で心がけていることはありますか?

嘘をつかないことです。映画もドラマも、基本的にフィクションじゃないですか。でも作品を観ていて、その人がリアルだと思える瞬間があると、すごく心を動かされる。だから虚構のなかでもリアルに生きているような役者になりたいと思っています。

—目標にしている俳優は?

たくさんいますが、なかでも安藤サクラさんや森山未來さん。特にキラキラして見えるというか、揺さぶられますね。

—今後演じてみたい役はありますか? こうしてお話している祷さんはすごく明るい方ですけど、これまでは比較的影があるというか、何かを心の中に抱えている役を演じることが多かったですよね。

そうなんです。トークイベントや舞台挨拶に出演させてもらうと、終わったあとにお客さんやプロデューサーさんから「祷さんって笑うんだね」って言われたりします(笑)。そんな風に思わせてしまうくらい、自分が今まで演じてきた役は、本人が幸せだと思えない家庭環境にいたり、どこか狂気や闇を抱えている女の子が多くて。そういう役ももっと演じてみたいですし、自分が知らないキャラクターもまだまだたくさんあるはずので、いろんな役をなんでもやってみたいですね。

—今後の目標はありますか。

まず人生の目標は、おばあちゃんになったとき、「私の人生めちゃくちゃだったけど面白かったなあ!」って、ケラケラ笑えるような人生にすること。「めちゃくちゃだったけど」っていうのが必要だから、頑張らないといけない(笑)。役者としてはやっぱり、演じるときに嘘をつかないことをこれからも大事にしたいです。自分がこの先、役者としてどうなるかわからないですけど、その気持ちだけはどんな状況にあってもずっと貫ける人でいたいです。

wear credit
look 1 :
ファージャケット ¥110,000/alice + olivia、ハイネックニット ¥34,000/JOHN SMEDLEY
スカート ¥41,000/a.saught、スニーカー ¥38,500/EYTYS
look 2 :
シャツ ¥29,000/ATSUSHI NAKASHIMA、ハイネックニット ¥30,000/JOHN SMEDLEY
スカート ¥119,000/alice + olivia、スニーカー ¥38,500/EYTYS
look 3 :
ファーコート ¥120,000/ATSUSHI NAKASHIMA、フーディー ¥28,000/NEON SIGN
パンツ ¥27,000/NEON SIGN、スニーカー ¥38,500/EYTYS、ニット帽 ¥9,800/Carne Bollente
INFORMATION
LOOK(alice + olivia) tel_03-3794-9131
Lea mills agency tel_03-5784-1238
Sian PR tel_03-5468-2690
EDSTROM OFFICE tel_03-6427-5901
NEON SIGN tel_03-6447-0709
EDSTROM OFFICE tel_03-6427-5901
K3 OFFICE tel_03-3464-5357

INFORMATION

祷キララ
J-WAVE30周年×ゴジゲン10周年企画公演
舞台「みみばしる」

【東京公演】
2019年2月6日(水)〜2月17日(日)劇場:下北沢本多劇場
【福岡公演】
2019年2月23日(土)〜2月24日(日)劇場:久留米座
【大阪公演】
2019年3月1日(金)〜3月3日(日)劇場:近鉄アート館

作・演出:松居大悟
音楽監督:石崎ひゅーい
制作:ゴーチ・ブラザーズ
主催:J-WAVE/ゴーチ・ブラザーズ

主演:本仮屋ユイカ 
出演:市川しんぺー、祷キララ、工藤真唯、小松有彩、鈴木翔太郎、鈴政ゲン、タカハシマイ、玉置玲央、仲山賢、奈良原大泰、日高ボブ美、藤井克彦、前田航基、三浦俊輔、宮平安春、村上航、目次立樹、本折最強さとし、ゆうたろう
https://mimibashiru.com

Instagram:@inori.kilala

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