Dear Upcoming Actors #08 小西桜子

photography_Masaya Tanaka, styling_Riki Yamada, hair&make_KATO, text&edit_Shu Nissen

Dear Upcoming Actors #08 小西桜子

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いま、若手俳優たちがおもしろい。きらり光っている。ってことで、これからのスクリーンを賑わせるアップカミングな役者を追った、というよりも彼ら/彼女らへのラブレター的に編んだシリーズ「Dear Upcoming Actors」。第八弾は、1998年生まれの小西桜子が届ける相手。

彼女は、全米先行公開が話題となった2020年公開予定の三池崇史監督映画「初恋」のヒロイン役を3,000人の応募者の中から勝ち取っているというのだから、声をかけずにはいられない。現代のシンデレラガールは、優しく、控えめな佇まいながら、熱いハートと信念を秘めた女の子だった。

小西桜子,初恋,女優,365日、36.5℃

「夢を追っていいんだって気付いたら、
役者しかやりたいと思えなかった」

―まずは、役者を志したきっかけから、聞かせてください。

もともと映画やドラマを見ることは好きでしたが、自分が(役者を)やりたいとは思っていなかったんです。地元の埼玉の高校では、夢を追うタイプの子が周りに居なかったこともあって、その発想がなかったというか。でも、東京の大学に入ったことで少し考えが変わりました。芸術系の学科なので周りで芸能の仕事をしている子や、自分の好きな専門分野の職業を目指す人たちにいっぱい出会って、刺激を受けて。私も夢を追っていいんだって気付いたら、役者しかやりたいと思えなかったんですよ。

―何か影響を受けた作品はありますか?

『ヒミズ』ですね。高校生の時にすごく衝撃を受けて、観た後にすぐ友達の家までチャリを飛ばして、感動したから絶対見て!って熱く語っていました。自分が興奮してそんな行動を取ることって一度もなかったのに、これが映画の力なんだって。その日から、映画がより一層、好きになりました。

―もう早速『ヒミズ』のキャストと共演されていますよね。

そうなんですよ。とても緊張しました。すでに4人と共演させてもらっていて。人生こんなことがあるんですね。運命なのかな?(笑)生きてて良かったって思いました。

小西桜子,初恋,女優,365日、36.5℃

「『初恋』が決まってから、
毎日祈ってました」

―『初恋』で周りの反応は変わりました?

情報解禁が、カンヌ国際映画祭での記者発表だったんですよ。私はその時、まだ露出がWEBドラマぐらいで、ほとんどの方が私のことを知らなかったこともあり、すごく反響がありました。

―大抜擢ですよね。3000人のオーディションを勝ち抜けた理由について、伝えられたりしましたか?

三池監督が私を見た時に、「あ、来たな」って言ったんですよ。どういうことかと言うと、オーディションの日が、私が初めて参加した映画の長期間撮影が終わった翌日だったんです。実は、クランクアップした瞬間から、オーディションの朝までずっと涙が止まらなくて、自分の未熟さや反省の念で、一睡もできないし、疲労困憊で精神的にも肉体的にもボロボロの状態で臨みました。だから『初恋』のモニカという、不安定で心に影のある役柄のイメージにマッチしたんだと思います。きっと違う役だったら落ちていたので、運が良かったんです(笑)

―すごい引き寄せですね。怖さとかはありませんでした?

怖かったです。マネージャーさんから『初恋』のキャストを送ってもらった時は、腰から崩れ落ちましたもん。毎日祈ってました(笑)神様ありがとう!!って。

小西桜子,初恋,女優,365日、36.5℃

「言われたことを毎日
会話文ごとメモしてます」

―実際に夢が叶って、演じるという行為に対してどんなことを感じていますか?

最初は好きなことをやれるのが嬉しいってだけで、お芝居そのものの楽しさはあまり分からなかったんですけど、今はいろんな人生を経験できることに魅力を感じています。悲しい役なら、今までの自分のマイナスな気持ちが役に反映されて救われるっていうか、無駄な経験はないなって思えて、お芝居って楽しいなって。

―苦労していることや壁にぶつかることはありますか?

毎日ですね。舞台の稽古で、自分の中で全力でやっているつもりでも「全然足りない、2点」とか言われてます。でも、私は人の言葉がすごく好きなので、言われたことを全部メモしてるんですよ。みなさんのことが大好きで、会話文をそのまま毎日iPhoneにメモしてるから、少し気持ち悪いかもしれないですけど(笑)

―(笑)とかも書いてありますね。印象に残っている言葉を紹介してもらえますか?

例えば、窪田正孝さんはお芝居の楽しさをいっぱい教えてくれました。「お芝居をやっていてアドレナリンが出て、自分の限界を超えた時の快感が癖になる」っておっしゃっていて、それは普通に生きていたら経験できないくらいのエネルギーと気持ち良さなんだそうです。お芝居への愛が伝わってきますよね。私は、まだその領域まで到達できていないので、全力で一つ一つやらなくてはと思っています。

小西桜子,初恋,女優,365日、36.5℃

「人の心を動かすお芝居を
一つ一つ誠実に」

―出演される舞台、『365日、36.5℃』の見どころを教えてください。

この作品は、同世代の男女たちの青春群像劇で、きっと登場人物の誰かしらに共感や感情移入できると思います。見てくれる方々の実体験に重なるところもあるはず。だからこそ届ける側としては、嘘があってはいけないし、真実を届けられるよう稽古を頑張っています。こういう人が居たな~なんて、思い出しながら見ていただければ嬉しいです。

―舞台という形式に馴染みのない方々に伝えたい舞台の魅力とは何でしょうか?

やっぱり生ってところですかね。演じた瞬間から消えていっちゃうし、残らないじゃないですか。だからその一瞬に儚さや尊さを感じるし、映像に残らないからこそ見てくださる方も一瞬一瞬を見逃さないように注目してくれる。そこにしか生まれない空気感があります。距離の近さも舞台の魅力ですね。

―それでは最後に、役者としての将来像を教えてください。

人の心を動かすお芝居がしたいです。具体的な目標もありますが、形式にとらわれず、一つ一つの作品で人の心を動かすお芝居を誠実にやっていけたらいいなと思います。

小西桜子,初恋,女優,365日、36.5℃


[wear credit]
look1:
ニット¥83,000/REJINA PYO、スカート¥38,000/AKANE UTSUNOMIYA、パンプス¥81,000/Acne Studios、グローブ¥4,500/HATRA
look2:
ベスト¥100,000/LEINWANDE、ドレス¥110,000/Acne Studios、ソックス/Acne Studios、ブーツ/COURREGES
look3:
ニットワンピース¥68,000/AKANE UTSUNOMIYA、タイツ¥12,500/HATRA、スニーカー¥20,000/ASICS x KIKO KOSTADINOV
[INFORMATION]
BRAND NEWS 03ー3797ー3674
HATRA 03ー6659ー9471
ASICS 0120ー068ー806
INFO@THEーMATT.COM
Acne Studios Aoyama 03ー6418ー9923
EDSTROM OFFICE 03ー6427ー5901
EMME Co., Ltd 03ー5413ー3883

Dear Upcoming Actors

PROFILE

小西桜子
1998年3月29日生まれ、埼玉県出身。映画「初恋」(日本公開予定 : 2020年2月28日/三池崇史監督)ヒロイン・モニカ役にオーディションで 3,000人から抜擢され一躍ニュースとなる。今後も、「ファンシー」「猿楽町で会いましょう」「アストロエイジ」など多数の公開待機作品を控えており、映画界に突如現れた新星として活躍が期待されている。初の舞台出演となる「365日、36.5℃」ではヒロイン・朝陽役を演じる。

INFORMATION

「365日、36.5℃」
Superendroller LIVE “scene05”

2019年10月30日(水)~11月4日(祝・月)
会場:すみだパークスタジオ 倉
東京都墨田区横川1丁目1-10
脚本・演出:濱田真和(Superendroller)
キャスト:三宅亮輔/小西桜子/田本清嵐/樋井明日香/菅原健/勧修寺保都/白磯大知/太田唯/金井浩人
チケット:全席自由席 一般前売り¥4500(税込)/当日¥4800(税込)
HP:http://superendroller.com/?page_id=3165

三宅亮輔や小西桜子ら若手俳優陣が集結した舞台「365日、36.5℃」。石田真澄撮り下しのメインビジュアルも公開

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