CULTURE 2019.11.09

Report: VERDY HARAJUKU DAY 原宿の街並みを振り返る

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph - Takaki Iwata & Hideaki Nagata, Report - Ryo Tajima[DMRT]

10月13日(日)と14日(月)の2日間、原宿を中心に渋谷、中目黒に渡って開催されたVERDY HARAJUKU DAYの様相を振り返りたい。各地でコラボアイテムが販売されていたが、ここでは、街角見た光景を記録しておきたいと思う。台風19号akaハギビスの襲来により、予定されていた10月12日(土)の開催は断念し、3DAYSから2DAYSへ変更されて開催された本イベントだが、こうした悪天候がイベントを襲うというのは、歴史を振り返れば、数々の伝説的なフェスの第1回目が同様の事態であったわけで(国内においては1997年の苗場や2007年の京都然り)。こうした偶発的な出来事がVERDY HARAJUKU DAYに起こるということに、興奮を抱かずにはいられなかった。オフィシャルのアイテムを中心にプロダクトが展開されたメインスポット、GIFT SHOPの模様は次の通り。

Beats by Dr. Dreのサポートにより実現したコンセプトショップ、VERDY SOUNDS。ここでは音楽に特化したコラボレーションが実現し、afterbase、CreativeDrugStore、LASY BOYS、SHABBAAAAA、tokyovitamin、YouthQuakeが参加。2日目にはSydも来場!!!

BOOKMARCでは村上隆氏とのコラボ展示が地下で、1階ではVERDYのART ZINEが販売され、時間限定でサイン会も行なった。VERDY自身は2日間共、原宿、渋谷の街を走り回り、来場していた人への挨拶やファンとも撮影に応じた。GALLERY TARGETではkyneとのコラボレーションもついに実現。

今回のイベントはフェス型イベントとして、音楽フェスにインスパイアを受けた形でタイムテーブルに沿った販売が行われていたわけだが、こうした1人のクリエイターが先頭にたったファッションによる大型イベントというのは初のことだったろう、少なくとも国内においては。そのイベントをVERDYと、その周囲にいる友人知人がメインとなり、運営会社を入れずにDIYで開催したという事実が偉大なことだ。

そして、フェス型イベントとは言っても、原則としてこれは”プロダクトを購入する”ということが目的のイベントでもある。欲しいと思ったものを欲しいと思った人がショップで買うという形。それがショップやギャラリー単位で終結することなく、それぞれに連動し、VERDY HARAJUKU DAYというコンセプトの元に帰結し、原宿の風景を2日間変えてしまっていたのは実に興味深いことではないだろうか。

そしてもちろん、そこに集まっていたスタッフを含む群衆。原宿、渋谷の街はVERDY HARAJUKU DAYへ訪れた人で溢れていたが、当たり前のように人それぞれ、欲しいものや見たいものがあって集まってきたことだろう。それが街を往復するにつれて、徐々に心理が統合していっているように感じた。具体的に何が、ということではないが、まるでフェスのヘッドライナーが登場するように、VERDY HARAJUKU DAY、2日目の夜に向かうにつれ、人々の心理が統合されていっているようなシンクロ感があった。1人で家にいるときに「このイベントに行きたいな」と考えていた人が、現場の熱気にさらされ「私もみんなと同じ」という思考回路になっていくのだから不思議でいて、楽しいものだ。音楽のライブなんてまさにそうだ。何か絶対的な魅力があるものにあてられると、それに吸い寄せられてしまう集団心理。そういった魅力があるものが、月並みな言い方だがカリスマと呼ばれる。VERDYのグラフィックにそれがあることを改めて感じさせられた時間だった。

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