来る東京オリンピックからスケートボードが正式競技に決定している今、改めてストリートにおけるスケートカルチャーがどんな姿をしていたのかを振り返りたい。本特集ではスケーターだけではなくスケートカルチャーに関係するクリエイターも含め、OGからユース、シーンの中核にいる人物まで、NYを中心として総勢24組を取材した。
EYESCREAM WEBでは、2020年2月1日に発売されたスケート特集号「PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020」より、特別にその一部をお伝えする。
PORTRAITS.003 / Adam Zhu
「ロックスターみたいな存在になるスケーターが出てきたらクールだよね」
2018年のPLAY BACK, SKATEBOARDING FILM企画の際も取材させてもらったクルー、HARDBODYに所属する若きスケーター。彼こそ今のNYストリートスケーターの姿を象徴している。最近ではトンプキンススケートパークを巡る署名運動を行った。
-Adamにとってスケートシーンはどんな姿をしている?
オレはスケボー歴12年くらいだけど、シーンは色んな意味で成長していると思う。今は昔よりも多くのクルーがいて、それぞれが良い動きをしているけど、以前よりコミュニティとしての団結力は少ないように感じるよ。昔だったら、みんながトンプキンスに集まって全員が友達だった。そこがNYスケートシーンの中心地だったけど、今はLESパークのシーンがあったり、スケートパークが増えるごとに各々のシーンが作られている気がする。でも、パークが増えることでキッズがスケートできる場所が増え、上達も早くなっている。スケートスクールも増えたしね。全体的なシーンは盛り上がっているんじゃないかな。
-Adamがトンプキンスのパークで行った活動について教えてくれる?
2019年の夏にトンプキンスのアスファルトに人工芝を施工するという計画が持ち上がったんだ。そこでオレはNYC Department of Parks and Recreation (ニューヨーク市公園リクエーション局)に対するプロテスト運動#savetompkinsを呼びかけて3万人以上の署名集めをした。トンプキンスはオレの子供の頃からの遊び場でもあったし30年以上ものスケーターの歴史と精神が詰まったパークだ。オレたちは、この計画に大反対だったから7月頃からインスタでトンプキンスの写真をポストして、みんなに問題意識を持ってもらうことからスタートした。翌日には仲間と一緒に署名集めもスタートして、レジェンド、大企業、あらゆる世代のスケーターたち、メディアが賛同してくれてNY市へ訴えかけることができたよ。Steve Rodriguezも熱心に協力してくれたんだ。
ミーティングでトンプキンスのスケーターの歴史やオレたちの熱い思いを語ったんだけど、市からは反応してもらえず、今度は2019年9月7日にRALLY TO SAVE TOMPKINS(セーブ・トンプキンス・ラリー集会)を開催するフライヤーを8月28日にポストしたらSNSからバズってヒートアップしていき、ちょうどプロテスト前日の午後、Steveに連絡が入って、トンプキンスが救われたことを知ったんだ。予定していた9月7日はトンプキンスのお祝いの日になったんだよ。
-今のスケートシーンで興味深いことは?
今はどうだろう。1番面白かったのは5年前くらいかな。フィルマーのJohnny Wilson(Supremeなどのフィルマー)が若いヤツらをフリースタイルで撮影してた時代。今では仕事としてプロフェショナルにやるようになってきたし、NYではTyshawn Jonesが2018年のスケーター・オブ・ザ・イヤーを受賞したり、シーンが大きくなってきている。それにつれてロックスターみたいな存在になるスケーターが出てきたらクールだよね。
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 001. Ari Marcopoulos
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 002. Steve Rodriguez
インタビュー本編はEYESCREAM No.174 “PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020″の誌面からどうぞ!
INFORMATION
EYESCREAM No.174
2月1日(土)発売
PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020
-スケートカルチャーの未来へ送る言葉-
出演者:Ari Marcopoulos, Steve Rodriguez, Adam Zhu, Akira Mowatt, Shredmaster Keith, Shawn Powers, Peter Sutherland, Beatrice Domond, Johnny Wilson, Caleb Barnett, Kader Sylla, James Rewolinski(Labor Skateboard Shop), Chrystie NYC, Duron Simons(Gang Corp), Jack Greer(IGGY NYC), Homies Network, Alex Corporan, Canal New York, Wasted Youth SKATEBOARD, Daiki Hoshino, Kento Yoshioka
Back Cover:HUF SPRING 2020 COLLECTION
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