CULTURE 2020.06.18

橙 [dai-dai]as photographed by TAIGA NAKANO vol.04 シム・ウンギョン

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Styling― RIKU OSHIMA Hair&Make― KANAKO HOSHINO Edit─Shu Nissen

vol.04 シム・ウンギョン / 女優

平成という時代は、どんな色をしていただろう。
俳優 仲野太賀がカメラを構え、平成に生まれた表現者たちの素顔と向き合う。

橙[dai-dai] vol.00 太賀
橙[dai-dai] vol.01 池松壮亮
橙 [dai-dai] vol.02 菅原小春
橙 [dai-dai] vol.EX KID FRESINO
橙 [dai-dai] vol.03 折坂悠太

楽しいだけではできないですが、お芝居が本当に好きなんです。

仲野太賀:韓国を代表する女優であるシムさんが、日本でも活動を始めたということで、今回声をかけさせてもらいました。同世代の役者として、是非お話ししてみたいなと思っていたんです。ちなみに、日本語は随分前から勉強されているんですか?

シム・ウンギョン:日本の事務所と契約してから勉強をし始めました。間違ってもいいから、日本語のネイティブスピーカーと直接たくさん話すのが、一番大事だなと思っています。

仲野太賀:それでここまで話せるのはすごいですね。日本にはもともと興味があったんですか?

シム・ウンギョン:中学生の頃から日本映画をよく観ていて、いつか日本でも仕事ができたらいいなと、ずっと思っていました。プライベートの旅行で日本に来ることも多かったです。J POPも好きで、安室奈美恵さん、X JAPANなどは、韓国でもすごく人気。カラオケでも皆よく歌っています。

仲野太賀:へー!じゃあ結構、日本の文化には触れてきていたんですね。

シム・ウンギョン:以前は中々触れられなかった日本のカルチャーが2000年初頭からたくさん入ってきて、ブームになっていきました。

仲野太賀:なるほど。そして逆に日本では、韓流ブームが来ていたってことですかね。ただ、隣ではあっても、言葉の違う外国での活動に挑戦する決意って勇気が要ることだと思うんです。何がその原動力になったのでしょうか?

シム・ウンギョン:俳優という仕事は常に勉強し続けないといけないと思っています。なるべくいろんな経験がしたいと考えた時に、韓国だけじゃなく、海外のいろんな国の映画に出たくて、日本もその一つでした。

仲野太賀:よくぞ来てくれました(笑)映画全体のうねりを喜怒哀楽で、もう一気に変えていくような、そんなお芝居をされる方だなと思っていて。日本にはそういう女優さんもなかなかいないですしね。シムさんの表現者としての喜びって何ですか?

シム・ウンギョン:私は子役からやっていたので、最初はただ楽しかったんです。そして、だんだんと、13歳ぐらいからは、楽しさだけではできない難しい仕事だなと感じるようになりました。正直、今でも分からないんですよね。演じるとは何なのかって。この先もずっと分からないと思います。それでも続けていける理由は、役にハマる瞬間。きっと太賀さんも分かると思うんですけど、誰にも邪魔されずに、夢中になって演じている時は、自分でも信じられないパワーが溢れてきて、そのカタルシスですかね。楽しいだけではできないですが、お芝居が本当に好きなんです。

仲野太賀:僕も子役からって程小さくはないですけど、15年近くやってきた中で、ある時点から自分の中のガソリンだけじゃ動かなくなる瞬間を感じたことがありました。それこそ映画は何十人、何百人という人が関わって、その真ん中に監督が立っていて、いろんな要素が作用するからこそ、自分の中でエネルギーに変わる。そういった感覚は最近になって自分もすごく感じてたりして。シムさんは、早い段階で一度立ち止まって考える時があったんですね。アメリカに留学をしていたのもその頃ですか?

シム・ウンギョン:『サニー 永遠の仲間たち』をクランクアップした後すぐに、留学に行きました。その頃、高校1年生ですね。

仲野太賀:その後に出演される『怪しい彼女』は、もちろんのこと、『サイコキネシス』もすごく良かったです。作品選びの決め手とかってあるんですか?

シム・ウンギョン:お話を読んで面白かったら決めるってこともありますが、いろんなジャンルにトライしてみたいので、キャラクターの性格や設定をよく見ます。幅を広げていきたいので、それは主演だけでなく、小さい役でも同じですね。

仲野太賀:そういう意味では、『新感染 ファイナル・エクスプレス』(※)、最高でした。

(※2016年公開のゾンビ・ホラー映画。第一感染者役で特別出演し、圧倒的なオープニングを飾る演技で存在感を示し、大きな話題に。)

シム・ウンギョン:あの動きは、ダンサー出身の振付師さんと一緒に相談しながら、2ヶ月ぐらい練習しました。本当に短いシーンでしたが、絶対にやりたかったんです。ゾンビの役が来ることは本当に珍しいし、なかなかやる機会がないので(笑)

仲野太賀:えー!2ヶ月も!そうだったんですねー!あの演技は、これまでと全く違うシムさんで衝撃的でした。たくさんの映画に出演されてますが、個人的に観るのが好きなのはどんなジャンルですか?

シム・ウンギョン:最近はわりとディズニーが好きですね。天才たちが集まって映画を作っているんだなぁといつも驚かされます。社会的なメッセージを感じられる『ズートピア』も好きですし、『アナと雪の女王』も普通に好きです。実写映画だと『僕のエリ』が好きですね。一番影響を受けた作品かもしれません。監督の演出、ヴィジュアル、想像力がすごい。ヴァンパイアの悲しいラブストーリーなのですが、少年少女たちの自然な演技も素晴らしいし、ヨーロッパならではの感性みたいなところも感じられて、美しい。大好きな映画です。

仲野太賀:ちなみに日本映画に対してはどんな印象を持っていますか?

シム・ウンギョン:すごく自然に、情緒的に深いメッセージを届けるというか、是枝裕和さん、中島哲也さんのような作品がそういうタイプだと思うんですけど、韓国映画とはまた違う空気感もあって、そこが日本映画の素晴らしさだと思います。そういうところに憧れていたので、日本で仕事ができているのは楽しいです。

仲野太賀:シムさんがそういう風に思ってくれるのは、僕らや日本の監督からすると、すごく嬉しいことですよね。僕は韓国映画が大好きで、イ・チャンドン、ホン・サンス、ポン・ジュノ。革命や政治的な歴史の話だったりしても、ちゃんとエンターテイメントにできるバランス感覚が素晴らしいなって思ってるんですよね。……ちょっと真面目な話が多くなっちゃったので、軽めの質問してもいいですか(笑)なにかマイブームとかってあります?

ジャケット¥90,000 Tシャツ¥15,000 ともに MAISON KITSUNÉ(メゾン キツネ カスタマーセンター Tel: 0120-667-588)

シム・ウンギョン:マイブームは、最近だとダンスですね。自分でYoutubeを見ながら踊りを練習しています(笑)

仲野太賀:ダンス!!それはレッスンとかじゃなくて?

シム・ウンギョン:レッスンに行く勇気はなくて……。家の中とかで練習したりしています。10代の時はあんまり興味がなかったんですが、最近アイドルに憧れがあって、K POPアイドルや日本だと嵐とかよく見てたりします。

仲野太賀:そうなんですねー!意外というか、良いことが聞けました!それは誰かに見せる為じゃなくて自分で楽しむ為に?

シム・ウンギョン:いつか、カラオケとか皆で行った時に披露したいなとは思ってます。はい(笑)

仲野太賀:素晴らしいですね!いつか是非見たいです!今後、共演する機会があったら打ち上げで是非お願いします!

シム・ウンギョン:そうですね。その為に日々練習しているので(笑)

仲野太賀:楽しみにしています!!

シム・ウンギョン

平成6年生まれ、韓国ソウル出身の女優。子役としてデビューし、韓国若手トップ女優として人気を博している。近年は、本格的に日本のエンターテイメント界にも進出。松坂桃李とのW主演映画『新聞記者』では、第43回日本アカデミー賞優秀主演女優賞及び最優秀主演女優賞、第74回毎日映画コンクール女優主演賞、第11回TAMA映画祭最優秀新進女優賞を受賞し、作品自体も日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲得した。


仲野太賀

平成5年生まれ。東京都出身。13歳で俳優デビュー。カメラに魅了されたのは小学生の頃。2020年2月7日に公開された映画「静かな雨」でダブル主演を務めた。「今日から俺は!!劇場版」が7月17日に公開予定。
https://www.stardust.co.jp/section1/profile/nakanotaiga.html

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