今日はなに着てこうかな。外はうだるような暑さだから必然的にラフな格好で、でももちろんシンプルななかにこだわりも込めて。だって引き算ばかりじゃ楽しくないし…とか考えるところから楽しい。音楽好きが集まる渋谷のライブハウスWWW / WWW X / WWWβを舞台にした月イチスナップ連載、第14回:D.A.N. presents TIMELESS編です。
今の東京を象徴する音を鳴らせるスリーピースバンド、D.A.N.による自主企画シリーズ「TIMELESS」の3回目は、彼らの2ndアルバム『Sonatine』(傑作!)の発売日に開催された。ゲストにjan and naomiを迎えての、ディープに漂う一夜だ。
jan and naomiは、ニクい。その立ち振る舞いも、サイケデリックな音色も、ダウナーな色気も、どれもこれも。深くでたゆたうそれは、サッドコア以降の感触で、甘く、鋭い。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが今の東京に暮らしていたなら、こんな音楽を鳴らしていたのかもしれないな、などと夢想しているうちにライブは終える。そこここに落ちていく余韻がまたいい。
D.A.N.は、その一音一音に意図があり、綿密に構成されていて、なおかつ生々しさも獲得している。インディR&Bとロウハウスとベース・ミュージックの境界上で、互いに溶け合いながらも浸食しあうことなく、D.A.N.だからこそ、の音楽を鳴らせている。熱量のある、それでいてクールな。身体にも記憶にも訴えかける官能的な音楽。それは、そのへんにいそうな東京の若者たちの鳴らす、特別な音楽だ。アンコールは『Sonatine』のラスト曲を飾る「Orange」、その微熱さにはまりこんだまま、あるいは感傷的に、渋谷の街を抜けて帰路につくのだ。
MONTHLY QUESTIONS
Q1. 年齢
Q2. 職業
Q3. 今日のコーディネートのイチオシアイテム
Q4. 夏にこそ食べたいカレー
[WWW PEOPLE]
1. PUNPEE、OMSBらが出演した『Diagonal』
2. SCLLの音色、美しく過ぎ去る時間
3. 先鋭化する真夏の夜のミステリアス
4. LEARNERSでスウィング!
5. ポスト・ダブステップのその先へ。マウント・キンビーが切り開く
6. マイルド・ハイ・クラブとネバヤン、色気と浮遊のはざまで
7. RAU DEFワンマン。PUNPEEやSKY-HIらも駆けつけた夜
8. シャムキャッツにトクマル、韓国からSilica GelとParasol。アジアのインディが交わる夜
9. バレアリックなハウスミュージックで遊ぶユースたち
10. ロード・エコーのメロウな音色&腰にクるベースラインに酔いしれる
11. オルタナティブの熱波。上海と東京のクラブが交錯する
12. odol、STEPHENSMITH、TENDREが揃った「NEWWW」の第15回
13. VIDEOTAPEMUSICが案内する、エキゾでアーバンな初夏の夜
14. D.A.N. presents TIMELESS、2018年・東京の音楽
THIS MONTH’S EVENT
『D.A.N. presents TIMELESS #3』
2018/7/18(Wed) at WWW X
LIVE:D.A.N. / jan and naomi