OTHER 2019.05.01

Walk your talk.06 -Verdy 対談連載 第6回- Verdy×BIM

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph - Takaki Iwata, Edit - Ryo Tajima[DMRT]

グラフィックデザイナー、ベルディがストリートの今をベースに世界中のクリエイターやアーティストと対談していく本企画。6回目はBIMが登場。2018年の9月にVerdyが韓国で行なったポップアップにも帯同しイベントに出演するなど、親交の深い2人が話すのは音楽とデザインの共通項。そこに込めるメッセージ性について。

“制作には”生みの苦しみ”が伴いますよね。デザインもそうですか?”
ーBIM

“最近は無理矢理デザインを作り出さないように気をつけていて”
ーVerdy

ー2人はどのように仲良くなったんですか?

Verdy:SUMMITからSIMI LABのレコードジャケットデザイン(『AVENGERS』のこと)をオファーされたときに、増田さん(SUMMIT代表)からBIMくんのことを教えてもらったんですよ。

BIM:僕も、そのジャケットでVerdyくんのことを知りました。The Good Companyが原宿でポップアップをしていたときにDJをしたんですけど、そのときに初めて会話したんですよね。自己紹介的な感じのことを話してインスタを交換して。その後もクラブでよく会っていたので「ご飯行きましょう」って話をし続けて。

Verdy:でも、なかなか予定が合わなかったんですよね。

BIM:そうでした。初めてクラブ以外の場所で会ったのは三軒茶屋の焼肉屋でしたよね。出会いから随分時間が経っての焼肉っていう(笑)。

Verdy:そこから、ちょくちょく会うようになったんですよね。2人で何かやろうって話はずっとしていて、最初は海外でポップアップをするのが楽しいかな? とも思っていたんですけど、もっと違う面白いことをやりたい時期だったので、韓国でのポップアップに誘わせてもらいました。

2018年9月に韓国のHenz ClubでVerdyのポップアップのアフターパーティに出演したBIM

ー2018年9月に開催したポップアップですね。The Henz ClubのアフターパーティにBIMさんが出演されましたが誘ったのはなんでだったんですか?

Verdy:アメリカに行くと「日本ではどんなラッパーがいるの? どんな音楽が流行ってるの?」ってよく聞かれるんですよ。海外の人が日本のカルチャーに今日にをもってくれている現状があるんですね。だから自分のポップアップで、周囲にいる人を連れて行ければいいのにってずっと思っていて。ポップアップで、ただ物を売るだけじゃなくて、自分がカッコいいと思っている人を誘って一緒に面白いことをやりたいと思ったんです。

BIM:韓国はプライベートでもよく行くんです。WARPED SHOPのスタッフとは仲良くなってラップをやっていることを話したりしていたんですが、Verdyくんのお陰で、やっと自分がラップしている姿を見せることができたんです。思えば海外での初めてのソロライブでした。

Verdy:実はBIMくんと仲良くなる前に、嫁から「良い曲だよ」ってBIMくんの曲を教えてもらっていたんですよ。それがどんな意味の曲なのかとかを韓国で聞いたりしましたよね。

BIM:そうでしたね。アルバム『The Beam』をリリースしたときも、Verdyくんの奥さんが聴いてくれていたことをストーリーにあげてもらったりして。僕からも最初にご飯に行ったときにGirls Don’t CryやWasted Youthの意味を教えてもらったじゃないですか。奥さんに向けてっていうメッセージ性を聞いてエモモードに入りましたもん。

ー音楽やデザインは、その意味やアーティストの人間性を知るとより好きになっていきますよね。

Verdy:先に音楽を好きになっているうえで、その人自身のことを知るとどんどん好きになっていきますね。ライブ中に「この曲ならこんなグッズがあればいいのに」とか勝手に考えちゃいます。グッズのデザインにも絶対に意味があった方が良いと思いますし。曲にはどんな気持ちが込められてるんだろうってことは気になりますね。

BIM:VerdyくんのGirls Don’t Cryにあるメッセージ性ではないですけど、僕の曲も、作っているときには“誰かに向けて”っていうのは思い入れがあって、そこから歌詞が膨らんでいくんですよ。Verdyくんのデザインにも同じようなストーリーがあって、その意味を聞くのが好きです。

ーBIMさんから見てGirls Don’t CryやWasted Youthはどんな存在ですか?

BIM:昔のBAPEが世界中に広がっている熱狂に近しいものがあると感じています。それが今の若い人たちも味わえているんじゃないかなって。今や、宇宙船にGirls Don’t CryやWasted Youthがデザインされていても驚かないレベルというか。ファレルやカニエがBAPEを着ていたのを見てワクワクしていた感覚ですね。こんなことが体験できるのは久しぶりなんじゃないかな、皆で同じものに熱狂できるのって。

-BIMさんが所属するCreativeDrugStoreもアパレルなどを不定期で発表されたりしてますが。

BIM:チームのユニフォームみたいなのはCreativeDrugStoreが出してるけど、俺がVerdyくんと同じ目線でデザインについて話すなんておこがましいですね。

Verdy:僕はCreativeDrugStoreのデザイン、好きですよ。去年のクリスマスにリリースされていたロゴに雪が降っているデザインがいいなって思いました。BIMくんとはお互いのポップアップやパーティなど一緒の現場にいることが多いのがいいですよね。この感じを海外でもできたらいいのにって日々思っています。

BIM:思えば、The Good Companyが原宿のTOXGOでポップアップをやっていたときに集まった人が今も周りにいるって感じがしますね。

Verdy:あの場には、今、カッコいいことを実践している人たちがたくさんいましたね。それぞれが色々なことをしながら自然と集まったりしているのが面白いです。

ーちなみにVerdyさんとCreativeDrugStoreはコラボする予定はあるんですか?

Verdy:僕はずっとやりたいなって思っているんです。去年、実はBIMくんもやりたいって思ってくれているのが分かって、前向きに進めようとしている最中なんですよ。

BIM:それはもう、Verdyくんのタイミングで実現できれば。こっちは(見つめるポーズで)お待ちしていますね(笑)。

Verdy:ちなみにBIMくんは渋谷のクラブクアトロ、WWWXでワンマンライブをやってソールドの大盛況だったじゃないですか。音楽的な次のプランはどんな感じなんですか?


BIM:今は制作の時期なんですよ。頑張っています!

Verdy:音楽制作とライブのときの楽しさの違いはどんなところなんですか?

BIM:どちらにしてもなんですが、やっぱり居酒屋でお酒を飲んでるときが最高ですね。

Verdy:それはライブ後の打ち上げで、ということですか?

BIM:どっちもです、ライブに関係なくですね。2番目に好きなのは寝ること、3番目はお風呂で。音楽はその次くらいですかね(笑)。制作の期間には苦しい時期もあるし。デザインでも”生みの苦しみ”はありますか?

Verdy:あるんですが、最近はなるべく、無理に生み出さないってことを心がけています。普段の生活で感じる良いことや、逆に嫌だったこと、そういう気持ちを大切にしようと思って言葉を考えたり。昔は逆でスケジュール通りに無理矢理デザインを完成させようとしてきたから、今は無理に生まないように気をつけているんですよ。

BIM:それで気になったんですけど、Verdyくんはめちゃくちゃ多忙じゃないですか。予定管理とかできています?

Verdy:全然ちゃんとできていないんですよ(笑)。

BIM:僕も同じタイプなんですよ。だから、最初、なかなかVerdyくんとのご飯の予定が合わなかったままだったのかもしれないですね(笑)。

Verdy:急に予定が決まる楽しさもあるじゃないですか。本当はダメなんですけど、前もって決めていると面倒になってしまったりとか。だからできるだけスケジュールもユルく考えています。忘れないように気をつけながら。

ーBIMさんは「Tissue」のMVでBoys Don’t CryのTシャツを着ていますよね。

BIM:そうなんですよ。泣いているってリリックがあるんでBoys Don’t CryのTシャツを着て出たいと思って。それでボディが水色のBoys Don’t Cry TシャツをVerdyくんに作ってもらって着ていたんです。その後、ホワイトボディのものも作ってもらって地方のライブに着て行ったら「偽物着てる」とか言われたり(笑)。それくらいの存在なんですよね。

Verdy:偽物どころか1点ものの本物なんですけどね(笑)。

Verdy 対談連載 “Walk your talk.”
第1回目 小林資幸[PHINGERIN]
第2回目 Inagawa Jun
第3回目 谷中敦
第4回 KEI
第5回 Kosuke Kawamura

INFORMATION

Verdy, BIM

Verdy @verdy
BIM @bim_otg

POPULAR