OTHER 2020.02.10

Walk your talk Vol.10 -対談連載 第10回- VERDY × Kei Hashimoto

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Takaki Iwata, Edit&Text_Ryo Tajima[DMRT]

アーティスト、ヴェルディがストリートの今をベースに世界中のクリエイターやアーティストと対談していく本企画。早くも10回目を迎える今回、お相手はYouthQuakeの一員であり、自らもブランド、CarServiceを手掛け、セレクトショップ、PULPのクリエイティブディレクターとして活躍するKei Hashimoto。次世代の才能との対談となった。

面白いことをやっている人のことは知りたいし話したいと思って
ーVERDY

個人的にはヴェルディくんのハードコアなグラフィックが好きなんです
ーKei Hashimoto

ーヴェルディさんが対談相手にKeiさんを誘われたのが意外でした。

Kei:いや、自分の方が驚きですよ(笑)。オレなんかでいいのか?? って。
VERDY:最近、この連載の対談がコラボ相手や一緒に仕事をした人に偏ってきている状況もあったじゃないですか。だから、もっと今までにゆっくり話をしたことがない人や年下の世代と改めて話ができる機会にしたいと思ったんです。それで声がけさせてもらいました。
Kei:そうだったんですね。そのタイミングで自分に指名をもらえて、すごく嬉しいです。

ーKeiさんが所属するクルー、YouthQuakeとVERDYさんはすでにコラボもされていますが、2人の出会いと言うと?

Kei:Vickとかtokyovitaminのメンバーを介して知り合った感じですよね? 実はハッキリとは覚えていないんですよ。でも、前にヴェルディくんが突然インスタでフォローしてくれて。それがすごく嬉しくって。間違えてるのかな? って思ったくらいですよ。
VERDY:あはは!(笑)。僕もKeiくんと、どのタイミングで知り合ったのかは定かではないんですけど、自分が好きな大人の人とKeiくんが繋がりを持っているのをSNS上で見て知っていたんですよね。MIN-NANOのGoroさんだったり、TOMEさんだったり。自分の中ではYouthQuakeというクルーの性格を考えたときに、独自の繋がりを持っている人なんだなって印象だったんです。それで、みんなでKeiくんのポップアップに遊びに行って、そこで初めてお互いを認識した気がします。
Kei:2018年末のStyles(スニーカーを基軸としたセレクトショップ)でのポップアップですよね。そこで働いていたんですけど退職時に店長の好意で、自分のブランド、CarServiceのポップアップをやらせてもらったら、みんなが遊びに来てくれて。そうか……そのときでしたね。
VERDY:それが最初だと思います。ブランドって誰でもはじめられるし、どんどん新しいものが出てきて飽和状態にあると思うんですけど、そこで見たCarServiceにはすごく惹かれたんです。僕がブランドに興味を持つキッカケはコンセプトがしっかりしていてグラフィックがカッコいいという点なんですね。あのポップアップのときは、車も置かれていたし、名前やグラフィックもそうだし、ブランド名にすべて紐づいている印象でした。Keiくんが好きだから好きなことを表現しているっていう空気感を感じたんです。そこでKeiくん自身のことが気になり出したのでフォローしたんですよ。別の機会にYouthQuakeとコラボしたときも、今日乗せてもらって撮影した車があって。PULPのクリエイティブディレクターもやっていますよね。そのリニューアルオープンのときも行ったんです。やっぱり色々と面白い動きをしていますよね。
Kei:そう言ってもらえると、すごく嬉しいです。



ー改めて現在のKeiさんの活動について教えてもらえますか?

Kei:メインが、そのPULPでの仕事でショップのディレクションをしています。バイイングから参加して、もう少し自分のテイストやコンセプトをショップに反映できるように努めています。もともとUNION(US発セレクトショップ)やThe Broken Arm(パリのセレクトショップ)といったセレクトショップがすごく好きだったんです。ああいったジャンルレスなお店を日本で作るのって大変だと思うんですけど、それにチャレンジしたくて。PULPはそういうお店にしたいと思ってます。それで自分の周りの人にも手伝ってもらって、他では体験することができないような空間にしようと努力しているところですね。シンプルに、若い人にもっと洋服を好きになってほしいという思いが根本にあります。あとはクルー、YouthQuakeに所属し、CarServiceというブランドをやっています。このブランドについては国産旧車にこだわってやっていて。1月19日まで16(Sixteen) で開催されていたエキシビジョン”Slow, Loud, And Bangin”では、フォトグラファーのAlexis Gross(アレクシス・グロス)とコラボコレクションを展開しました。それに合わせて、NEO SHIBUYA TVの協力のもと、自分がディレクションした映像が渋谷の街頭で流れたんです。音楽はtokyovitaminのDisk Nagatakiに作ってもらって、映像はYouthQuakeのUdaiとTHA JOINTZのTakato、モデルには姫路のラッパーのanddyくんとCarServiceのメンバーDaikiのEF CIVICと個人的には最高なメンバーになりました。もう、めちゃくちゃ嬉しかったですね。YouthQuakeの方は1月の初売りからShibuya PARCOのSSWでギフトショップを展開しました。

ー映像にしてもそうですが、撮影をディレクションされることも多い印象です。

Kei:そうですね。CarServiceのルックも自分でやっていますし、PULPのシーズンビジュアルは、お世話になっているスタイリストの猪塚慶太さんとやったりしています。オレ、年の離れた先輩が多くて一緒に飲むに行くことが多いんですよ。なので、ヴェルディくんが言っていたように、GoroさんやTOMEさんとも話が合うというか……。
VERDY:なるほど。僕の勝手な想像なんですけど、大きな企業がやっている場所や店のディレクションって、ある一定の決まったひとがやるケースが多いんじゃないかと思うんです。そんな中、自分よりも年下なのにKeiくんがPULPのクリエイティブディレクターになったっていうのは、すごく面白いですね。
Kei:すごく良いチャンスをいただきました。そういうキャリアがあったわけでもないので、今は手探りで壁に打ち当たりながらやっています。すごく楽しいです。なんかこう……オレ、今生きているなって感じがして。
一同:


ーこうしてKeiくんは表舞台に立つだけではなく、ディレクターとしてファッションの裏方の仕事も行っているわけですが、ユースからそんな裏方が生まれてきていることについてヴェルディさんはどう思いますか?

VERDY:正直、僕としては裏も表もないと思っているんです。すべてのシーンに言えることですけど、前に立つ人がいる人がいれば、それを支える人や現場で動かしているひとがいるわけですからね。例えば、グラフィックデザイナーって裏方だと思われることもあったりするんですけど、自分的にはそんな意識はなくって。そういう意味で、今、僕が思っていることは、何をやっているユースであっても、みんな本当に成功してほしいというシンプルなことです。みんなが成功することで東京のシーン全体が盛り上がるし、世界からも、東京にはOGだけではなくこんなに面白い新しい人間がいるって言われるようになると思うので。そんな意識が最近、自分には強いので、下の世代で面白い子がいれば知りたいし、話をしたいんです。どういう風にやっているのか知りたい。そんな話をすることで、自分のクリエイティブな部分にも繋がるし、自分が知らないうちに年を取った感覚になっていたんだなってことに気付けますから。



ーKeiくんから見てヴェルディさんはどんな印象だったんですか?

Kei:オレは若い頃からOllieとかストリートファッション誌を読んでいたので、めちゃくちゃ若い頃のヴェルディくんのスナップとかを見ているんですよ。
VERDY:あはは!(笑)。
Kei:そんな雑誌で見ていて知っていた人なのに今では東京を象徴する人じゃないですか。そんな人とこんなに距離感が近付くとは思ってもみませんでしたよ。その頃からグラフィックデザイナーであることは知っていたんですが、個人的にヴェルディくんのハードコアなグラフィックが好きなんです。
VERDY:あ、そっちが好きでしたか?
Kei:はい。それで、いつかVK DESIGN WORKSとコラボーレーションしたいな、と思っていて、今日はこの場を借りて、それを話したかったです!(笑)。
VERDY:全然大丈夫ですよ(笑)。
Kei:3月の頭にDickiesと寅壱とのオフィシャルコラボを控えていて、ガソリンスタンドやガレージをテーマにアメリカンワーク調のPOPUPをPULPで行うんです。まだアイディアの段階なんですけど、個人的にそのアイテムがローンチされるときにトータルコーディネートでの提案としてリリースしたいと考えていて。で、オレはRat Fink(ラットフィンク)が大好きなんですけど……。
VERDY:おー! そうなんですか? 僕も大好きです。そっか、ラットフィンクもカーカルチャーと親和性が高いですもんね。



Kei:そうなんですよ。オレは音楽で言えばHIPHOPだけではなくハードコアも聴くんですけど、もしヴェルディくんが良ければ、ラットフィンクの様な60年代のホットロッドを感じさせるタッチでトリムTを作れたらいいなって思っているんです。
VERDY:いいですね、面白そう。
Kei:ラットフィンクってモンスターが車に乗っているじゃないですか。それをグロリアでやるっていうイメージです。それが実現できたら良い意味でヴェルディくんっぽくなくて、しかもルーツを押さえていて、さらにカーカルチャーを入れることができる。これってすごく良いマッチングなんじゃないかなって、勝手に1人で妄想していたんですよ(笑)。
VERDY:あはは(笑)! 全然いいですよ。そのデザインは是非やりたいです。それに、自分的にも良い機会だと思います。やっぱりWasted YouthやGirls Don’t Cryが注目されるので、僕も新しいグラフィックを作る機会が減ってきてしまっているんですよ。そんな中でパンク調のデザインを作りたくなったときに、今、自分の名義で出すかっていうと、ちょっとタイミング的に悩んでしまうし。今、Keiくんの話を聞いて、どんなグラフィックになるかすごく想像ができたので、決まっているので是非。よろしくお願いします。

Kei:よろしくお願いします。それと、前にお話したときにVERDY HARAJUKU DAYの第2弾の話をしてくれたじゃないですか。ちょうど、それの半年前になるんですよ。となると、お店的にもストーリーができるかな、と思って。

VERDY:なるほど。じゃあ、まだわからないですけど、VERDY HARAJUKU DAYのときに、そのモンスターのオモチャを出せたら面白いですね。フィギュアなのかぬいぐるみなのかわからないですけど。

Kei:出したいです! 自分の車にも乗っけたいです。

Verdy 対談連載 “Walk your talk.”
第1回目 小林資幸[PHINGERIN]
第2回目 Inagawa Jun
第3回目 谷中敦
第4回 KEI
第5回 Kosuke Kawamura
第6回 BIM
第7回 BUMP OF CHICKEN
第8回 EXILE NAOTO
第9回 Aminé

INFORMATION

VERDY × Kei Hashimoto

VERDY@verdy

Kei Hashimoto@_hsmt
YouthQuake@youthquake_
CarService@_carservice

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