CULTURE 2026.10.28

[Wandering Osaka]#13 長瀬比呂と巡るArt Dining SECOND、HAHAHA、台所 ねづく

Photography_Masahiro Yoshimoto, Text_Yuka Muguruma, Edit_Michika Kuriyama, Takuya Nakatani
EYESCREAM編集部

音楽、アート、ファッション、フード、スケボー、グラフィティ、そしてなによりもストリートカルチャー。いつもなにかおもろいことが起こっている、熱気に満ちた大阪の街にフォーカスする連載シリーズ「Wandering Osaka(ワンダリングオオサカ)」の13回目。街を知るには街の重要人物(もしくは街で遊びまくっている人!)に訊くのがイチバン、てことで今回は、京都のコンテンポラリーアートギャラリー、haku kyotoのキュレーター/ギャラリストを経て、現在は大阪・黒門市場で家業に携わりつつアーティストのマネジメントなどもフレキシブルに行う長瀬比呂さんにガイダンスしてもらった。

Recommender of the Month
長瀬比呂

1996年、大阪府生まれ。オーストラリア・メルボルンへの滞在をきっかけにアートギャラリーに関心を持ち、2022年より京都のギャラリー、haku kyotoに勤務。2026年からは黒門市場で国産本鮪の小売業に携わる傍ら、アーティストのマネジメントやフードケータリング、イベントPRにも取り組む。Instagram:@imhironagase

Art Dining SECOND


アートと共に本格的な料理が味わえる
アメ村の社交場がさらにパワーアップ

ストリートアートを眺めながら食事ができる、アメ村の地下に潜むダイニングバー、DOWN。立ち退きを機に2026年4月に閉店し、同年10月、屋号をSECONDに改めて三角公園近くのビル2Fへ移転リニューアル。照明を落としたムーディな雰囲気の以前とは対照的に、白を基調にしたアートが映える空間へとアップデートした。料理はイタリアンをベースに、前菜からメイン、パスタやピザまで充実し、サク飲みにもバー使いにも対応。今後はランチも始める予定だとか。ダミアン・ハースト×シェパード・フェアリーのアート作品を筆頭に、新たなコレクションにも注目だ。美容師、アパレル、飲食、アーティストetc.と夜な夜なクリエイティブな人でにぎわい、ジャンルを超えた交流やカルチャーが生まれる場に。

Recommender’s Comment

「日々さまざまな人が集まる、アメ村のハブのような存在。学生時代からずっと通っている大好きなお店で、大人数での利用はもちろん、海外からの友達と遊んでいる時にも重宝しています! 僕の友人も、ここで彼女ができたり就職先が決まったりと、みんなの人生の分岐点にもなっている。この街になくてはならないスポットだと思います」

衣はカリッと、身はふわふわに仕上げたメヒカリのフリット850円。チーズの中からミルキーな生クリームがとろけ出す、ブッラータチーズと生ハムの贅沢カプレーゼ1,580円。

約半年の移転準備期間中、スタッフたちは他店で修行し料理の腕を磨いていたそうで、こちらはその自信作。新メニューの、粗挽き牛肉のボロネーゼパスタ1,680円。

「牛肉100%のボロネーゼは、お肉がゴロゴロ入って食べ応え満点。お腹をペコペコにして、これだけ食べに来たいくらいおいしいです」。

イギリスのグラフィティアーティスト、SHOK-1による作品。「モノトーンでまとめられていて、シンプルにカッコいいと思います」。

「僕の中ではDOWN時代の象徴でもあった、ダミアン・ハーストとシェパード・フェアリー、2人のレジェンドが手がけたアート。ビビッドでほんのりサイケデリックな世界観が好きです」。

人気グラフィティアーティストのフューチュラとNEIGHBORHOODによる共作。「フューチュラのアイコンである“ポイントマン”がセラミックで表現されていて、とってもカッコいい」。

エントランスへ続く階段を登ると、シェパード・フェアリーが描いたレディの周りをダミアン・ハーストによる蝶々が彩る巨大なコラボアートがお出迎え。早くも店の顔となっている。

INFORMATION

Art Dining SECOND

大阪市中央区西心斎橋2-11-5 2F
営業時間:17:00 – 翌5:00(4:00LO) / 休:無休
Instagram:@artdiningsecond

HAHAHA


思わずHAHAHAと笑えるユニークな品も
バラエティ豊かな一点ものがずらり

堀江の人気古着店で経験を積んだ店主の平尾拓夢さんは、「のんびりできる場所でやりたくて」と、あえて服屋の少ない阿波座エリアで開業。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、北欧など、世界各国から買い付けたアイテムがにぎやかに並ぶ。3Fにはジャンルレスな古着と雑貨、4Fにはヴィンテージファブリックを使ったオリジナルアパレルを展開。なかでも、雑貨のセレクトには並々ならぬこだわりが。「いつ誰が作ったのかわからない、匿名性の高いオブジェに惹かれます。ビビッとくる感覚と、一期一会の出会いを楽しんでほしい」と平尾さん。ポップアップスペースとしても活用する4Fには、日差しが注ぐバルコニーもあり、買い物の合間にひと息つける。

Recommender’s Comment

「このあとに紹介する酒場、ねづくの姉妹店otoの蚤の市で知ったショップ。いろんなテイストの服があって、訪れるたびにワクワクします。色使いや素材、フォルムで遊んだ雑貨が好きで、HAHAHAにはそんなアイテムがたくさん。この日は犬のぬいぐるみを購入しました。バルコニーでタバコを吸いながらチルするひとときも楽しみの一つです」

たくさんの窓を備え、自然光がたっぷり入る気持ちのいい3Fフロア。ユニセックスの古着をメインに、オブジェや絵画、ぬいぐるみ、アートブックがスタンバイ。

カラフルな抽象画が彩りを添えるレジカウンター。世界に一つしかないアートの取り扱いも多く、インテリアのアクセントにもぴったり。

「HAHAHA=“歯歯歯”やん!」という発想から、人体模型や心臓をイメージしたオブジェなど、人体をモチーフにしたアイテムも豊富にラインナップ。

こまごました雑貨があちこちに散りばめられ、見渡すたびに新たな発見が。夢中でディグするあまり、つい長居してしまう。

4Fフロアには、ベーシックなアイテムを中心としたオリジナルアパレルを用意。古着との相性も抜群なので、自由に組み合わせて自分だけの個性を表現したい。

存在感のあるギンガムチェック柄のジャケット13,200円に、テープのディテールが目を引くボンテージパンツ17,600円をコーディネート。「どっちもいい……」と悩んでいる様子。

レジン雑貨ブランド、neotpのワインオープナー各6,050円。「使わない時は、飾っておくだけでアートにもなるすてきなアイテム。僕は鼻のモチーフを買いました」。

比呂さんも愛用中の、リアルクロコレザーを用いたハンドメイドのコインケース。「インスタで見て一目惚れ。自分だけの風合いに育てていきたいです」。

「家で犬を飼っていて、犬モチーフのアイテムを見ると思わずほしくなっちゃいます。少しとぼけた表情と絶妙なポージングにグッときました」。ぬいぐるみ6,600円。

INFORMATION

HAHAHA

大阪市西区靱本町3-8-2 靭本町コージービル3&4F
営業時間:14:00-21:00(夏季15:00-22:00) / 休:無休
Instagram:@varietyshophahaha

台所 ねづく


おいしい料理と心地よい空間に安らぐ
ローカルに“ねづく”小さな立ち呑み

「実家に帰ってきたような気分で落ち着ける酒場を作りたい」と、ミナミの中心地から少し離れた場所にオープン。木津市場や黒門市場から毎朝仕入れる鮮魚をメインに、全国の生産者から届く旬の野菜を使用。素材の持ち味を生かし、丁寧にひいたダシや炭火、発酵の技法を取り入れながら、“オカンの料理”を洗練された感性で昇華した日替わりメニューを提供する。近隣のショップから自然派ワインやコーヒー焼酎を仕入れるほか、年始には地元の人と餅つきをするなど、地域に根差した店作りにも力を注ぐ。暖色の壁に囲まれた温かみのある空間で、ゆったり独酌するも良し、隣の人とのお喋りに興じるも良し。街の人が羽を休めに集まる、宿り木のような一軒だ。

Recommender’s Comment

「感度の高い街の人が自然と集まるお店。喧騒を忘れてゆっくり過ごせるうえ、カウンターのみのこぢんまりとした空間も居心地が良くてお気に入りです。職場から近いので仕事終わりに立ち寄ったり、アーティストをアテンドする際に利用することも。新鮮なお造りと、しっとり仕上げたゆでどりは必食。新店も期待しています!」

日替わりの造り盛り合わせ一人前1,500円〜。取材時は、天然タイやサワラの焼き霜など5種類がセットに。比呂さん大好物のゆでどりとおいしいキムチ680円、日本酒はグラス680円〜。

写真は、山口県の大嶺酒造が手がける原酒。柑橘を思わせる爽やかな香りが漂い、フルーティな甘みと旨味が広がる。3粒 西都の雫 火入れ グラス1,130円。

種類豊富な地酒は、徳島の酒ハウスモリモトがセレクト。大阪では珍しい銘柄がそろい、最近は、徳島産のKAMIKATZビールと広島産のナチュラルサワー、KANが一押し。

カウンターには旬の味覚が並び、眺めているだけで食欲をそそる。蚤の市で見つけた古い和食器や作家ものなど、料理を引き立てる器にもこだわっている。

和洋中からエスニックまで多彩な創作料理が味わえる難波の姉妹店、over the overもおすすめ。11月中旬頃には、黒門市場のある日本橋エリアで朝食のお店をスタートする予定。

INFORMATION

台所 ねづく

大阪市浪速区元町2-13-6 清水マンション1F
営業時間:18:00-0:00(23:30LO) / 休:日曜
Instagram:@nezuku_motomachi

※ねづくの新店が11月中旬にオープン!
screw 大阪日本橋
大阪市浪速区日本橋3丁目7-1

【Wandering Osaka】

#01 岩井祐二と巡るCity Lights : Donuts、LIGHT YEARS OSAKA、Family Tree Bottles
#02 植杉友恵と巡るTOLMA、su、洗濯と喫茶 廻廻
#03 サカモトタイチと巡るVOYAGE KIDS、club daphnia、tamutamucafe
#04 daichicrewと巡るTASOGARE COFFEE、ACHROMA、お料理 横目
#05 爛々 萌々と巡るstandピピピッ!、 oh my 河‼︎、幸せ立ち呑み夢ごりら
#06 CM SMOOTHと巡るMARADONA RECORDS、mumei gallery、BOURGEON records
#07 清原崇弘と巡るKON、Falman、ue.
#08 大吉純一&河田達矢と巡るYAMASTORE、惣菜・弁当 あんどう、ピタックごはん
#09 岩下太輔と巡るThat’s PIZZA、FAT DOG STAND、民族中華
#10 aska.と巡るπ spectacle、LIN gallery、LEAD COFFEE
#11 イーグル野村と巡るTHEモンゴリアンチョップス、ザ・モチベーションショップ、十四才
#12 桂九ノ一と巡る白布、熱帯夜、Sway

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