来る東京オリンピックからスケートボードが正式競技に決定している今、改めてストリートにおけるスケートカルチャーがどんな姿をしていたのかを振り返りたい。本特集ではスケーターだけではなくスケートカルチャーに関係するクリエイターも含め、OGからユース、シーンの中核にいる人物まで、NYを中心として総勢24組を取材した。
EYESCREAM WEBでは、2020年2月1日に発売されたスケート特集号「PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020」より、特別にその一部をお伝えする。
PORTRAITS.007 / Peter Sutherland
「スケートのお陰で素晴らしい経験をしてきたよ」
1976年生まれのNY在住フォトグラファー。スケートシーンにおけるピーター・サザーランドの存在は説明不要だ。フォトグラファーでありフィルマー。ミックスメディアのフォトブックを(un)から出版予定。彼はスケートとストリートをどのように切り取り未来へ向かうのか。
-こうして2020年になった今、スケートカルチャーを振り返ると、どんな光景が見えますか?
スケートのお陰で素晴らしい経験をしてきたよ。アート、写真、スケートトリップ、日常では行かないようなスポットを発見したり、年齢もまったく異なる友達もできたし。若いときから斬新かつ現実的な視点で物事を見れるようにもなった。NYには1998年にコロラドから引っ越してきて、1番初めに交通渋滞の中をロブ・キャンベルとスケートしたのを覚えているよ。彼はNew Breed Skateboardsというブランドを持っていてNYのレジェンドの1人だ。今でもロブとは良い関係を続けている。
当時、NYに来たときは特に人生計画もなかったしキャリアもなかった。漠然と1999年くらいにスケートのフィルミングでもしようかと思ってさ。ヴィーガンレストランでバイトして貯金した4000ドルをすべて使って、VX1000のビデオカメラとフィッシュアイレンズを買ったんだ。撮影の仕方も知らなかったんだけど仲間とスケートしながら教えてもらって学んでいったんだ。写真も同様に初心者だったけど実践しながら撮り方を覚えたんだ。そして、アーティストとしての今があるんだよ。
-もっとも鮮烈に覚えている思い出は何ですか?
2000年代初期にリリースしたドキュメンタリー映画『Stoked : The Rise and Fall of Gator 』で撮影できたことかな。撮影監督が友人だったんだ。スティーブ・キャバレロに会って、彼のインタビューをフィルミングできたことには感動したね。
-90年代と現代でスケートシーンはどのように変わったと思いますか?
確か当時のユーススケーターたちはAlien Workshopにスポンサードされていた。そして色んな場所からNYに引っ越してきたり滑りに来たりしていた。それ以前だったら、スケーターはカリフォルニアに引っ越していたのにね。ジェイソン・ディルはすでにプロとして有名だったけどNYに引っ越してきていたし、マーク・ゴンザレスもNYに移住していた。90年代のNYはバイブスが最高だったから、たくさんのスケーターの憧れの場所でもあったんだ。僕も初めてNYに来たときは少しだけステイしようかな、という軽いノリだったけど、今もこうしてNYにずっといる。
その理由としてあるのは、スケートカルチャーが街に根付いていてクリエイティビティをフルに発揮できる街だからなんだ。そして、女性のスケーターの立ち位置も変わったと思う。80、90年代から女性のプロスケーターはいるんだよ。ローリー・リグスビー、エリッサ・スティーマー、キャラベス・バーンサイドとか。でも最近は女性スケーター人口が増えているね。きっと昔はメンズと同じようにスケートすることが求められていた時代だったけど、今はもっとオープンになっていると思う。BAKERの創設者、アンドリュー・レイノルズの長女ステラ・レイノルズも最高だね。スケートにとって良い時代になってきていると思う。
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 001. Ari Marcopoulos
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 002. Steve Rodriguez
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 003. Adam Zhu
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 004. Akira Mowatt
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 005. Shredmaster Keith
[PORTRAITS of SKATEBOARDING] 006. Shawn Powers
インタビュー本編はEYESCREAM No.174 “PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020″の誌面からどうぞ!
INFORMATION
EYESCREAM No.174
2月1日(土)発売
PORTRAITS of SKATEBOARDING in 2020
-スケートカルチャーの未来へ送る言葉-
出演者:Ari Marcopoulos, Steve Rodriguez, Adam Zhu, Akira Mowatt, Shredmaster Keith, Shawn Powers, Peter Sutherland, Beatrice Domond, Johnny Wilson, Caleb Barnett, Kader Sylla, James Rewolinski(Labor Skateboard Shop), Chrystie NYC, Duron Simons(Gang Corp), Jack Greer(IGGY NYC), Homies Network, Alex Corporan, Canal New York, Wasted Youth SKATEBOARD, Daiki Hoshino, Kento Yoshioka
Back Cover:HUF SPRING 2020 COLLECTION
お取り扱いは全国の書店、大型CDストア、Amazon等にて