MUSIC 2022.12.23

Amazon Original HEAT Vol.11 連載HEATという音楽現象を追う:Haruka Hirata×Sapphire Slows

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Hidetoshi Narita, Text_Keisuke Honda, Edit_Ryo Tajima[DMRT]

『Amazon Original HEAT』(以下、HEAT)。各シーンで活躍する20人のキュレーターが、20組のアーティストをピックアップし、新たな楽曲とMVがAmazon Musicで公開されていくプロジェクトだ。
本連載では、キュレーターと選出されたアーティストとの対談を行い、HEATがどのような内容なのか、まだキュレーターがどのような思いでアーティストを選び、アーティストはそれにどう応じるのかをお届けする。第11回目のキュレーターを務めるのは原宿のレコードショップBig Loveのクリエイティブ・ディレクターであり、いけばなアーティストの平田春果。アーティストは東京を拠点にしながらグローバルに活動する音楽プロデューサー・DJのSapphire Slowsだ。“originality”と“identity”とが行き交う、友人同士のトークセッション。

Curator_平田春果

Artist_Sapphire Slows

絹子ちゃんが作る曲って一切の無駄を感じさせない

ー2人は兼ねてから親交があると聞いていますが、もともとどういった関係なんですか?

Sapphire Slows:私は大学生くらいのときからビッグラブでレコードを買う普通のお客さんでした。Sapphire Slowsとしてアーティスト活動以前の頃になります。

平田春果(以下:平田):そう考えると、だいぶ長いお付き合いになってきたね(笑)。

Sapphire Slows:そうだね(笑)。それからアーティストとして活動を開始した21歳のときに、レコードを出すことになって。それこそ、ビッグラブで買っていたような海外のインディーレーベルからレコードを出した。そのときにハルパイ(平田春果)や仲さん(仲真史。ビッグラブ代表)に相談して、ビッグラブからも7インチのレコードを出させてもらったんだよね。そこからビッグラブとの関わりは深くなっていった印象かな。ハルパイも店頭にいたりしてね。私がレコードを出したりアーティスト活動を継続していく中で、多くのアドバイスをくれた人です。

平田:ビッグラブと関わる人って、最初はお客さんとして来てくださった方が割と多いんです。お店に通っていた人がそのままアルバイトしはじめたり、お客さんが音楽活動をしていたり。そんな中でも、私にとって絹子ちゃん(Sapphire Slows)は特別な存在かな。ビッグラブから日本人アーティストのレコードを出すことってかなりレアなことでもあったから。基本、海外に目を向けているし、それだけ絹子ちゃんの才能が突出していたんだろうな。

Sapphire Slows:ありがとうございます(笑)。当時、ビッグラブから日本人アーティストのレコードを出すのって初めて?

平田:AVALONがあったかな? でもバイトの子でもあったし、身内みたいなものだったから。外部からの日本アーティストのレコードをリリースするのは絹子ちゃんが初めて。

Sapphire Slows:そうだったんだね。

平田:正直に言うと、私は日本人アーティストが作った曲ってそこまで好きになれなくて。その多くは、自分のことをよく見せようとして無駄な要素を詰め込んでるように聴こえるから。でも、絹子ちゃんが作る曲って一切の無駄を感じさせない。しかも1曲1曲にストーリがある。ちゃんと選んで音をそこに入れているなって感じられて、考えてアレンジもしているからバチッとハマってる。出会った頃から今に至るまで洗練され続けていて、今聴く曲が最良の音作りをしているなと思える人なんだよね。

Sapphire Slows:そう言ってもらえて嬉しいよ! 洗練されてきたとかは、ちょっと自分ではわからないけど(笑)。

平田:そう思えなかったら一緒にレコードをリリースするなんてことにもならなかったと思うし、もともとの魅力なんだよ。なんなら音の選び方とかリズムの取り方、音を入れるテンポが全然日本人らしくない(笑)。

Sapphire Slows:逆に私は日本人らしさとかはあんまりよくわかってないかも(笑)。私は自分の国籍や年齢、性別などのアイデンティティをクリエイションに反映しなくてはいけないとか、するべきとは思ってなくて、自分の中にあるものが自然に表現されてるだけだと思っていて。楽曲に対して「オリジナルだね」とはよく言われるし、自分もそうあるべきだとは思ってる。音楽を聴く中でカッコいいと感じる曲はたくさんあるけど、その分リファレンスがわかる曲も多かったりするからね。私はもうすでにあるカッコいいものを新たに刷り直したような存在には、それほど興味をそそられないタイプ。自分らしい新しいものを作りたいって考えが強いんじゃないかな。

平田:オリジナルでいられるってすごいことだと思うよ。日本は島国でしょ? あとイギリスも島国。だからどこかしらダサいんですよ。伝わってるかな(笑)?

Sapphire Slows:どういうこと? 全然わからないんだけど(笑)。

平田:あれ?(笑)。結局のところ日本やイギリスは、インポートしてきた国じゃない?

Sapphire Slows:ああ、なるほど。カルチャーを輸入する国ってことね。

平田:そう。だから、絹子ちゃんがさっき言っていたリファレンスっていうのもそうだと思うんだけど、例えばヨーロッパは地続きになっていて、下はアフリカ、上はロシアまでが繋がっている。だから相互に影響し合うことでインポートとエクスポートがしっかりできてるんじゃないかな。その点、日本やイギリスは島国だからエクスポートできない。距離的にはすごく近かったとしてもね。だから、ダサい(笑)。

Sapphire Slows:そのダサいっていうのはどこからくるんだろう(笑)。影響なりを受けたものをそのまま出すから? 完全なオリジナルじゃないから?

平田:オリジナルじゃないし、もともとの視点や感受性から違う気がする。絹子ちゃんの曲を聴いていると、本当に生身の絹子ちゃん自身を感じるんだよね。そもそも自分のオリジナリティあふれる音楽を作りたいと思って活動しているアーティストたちが、生身の自分じゃないものを出していると、「ああ、そうなんだ」って感じちゃうし、なにひとつグッとこない。どこか嘘っぽいというか。

Sapphire Slows:なんかあった? ダサいとか嘘っぽいとか、今日やたらと毒づいてない?(笑)

平田:いつも通りだよ(笑)。でも、私は日本のアイドルや韓国のアイドルは好きなの。それはエンターテイメントだし、疑いを持たずに受け入れられる音楽もあるにはあるけど。

Sapphire Slows:私の心象としては、アンダーグラウンドのミュージックシーンとポップミュージックシーンとで違いがあるかな。カルチャーを輸入して「ダサい」みたいな感覚ってポップミュージックシーンに対してなら、なんとなくわかるし、表立っているもんね。でも、DJをしていて思うのは、日本のアンダーグラウンドなダンスミュージックシーンのすごさ。海外とは比較できないオリジナリティや集中力、繊細さがあると思う。アンダーグラウンドの世界をずっと極め続けてきているから、 超煮詰まってるっていうかさ。それはきっとハルパイが言ってた島国っていうのを、逆説的に捉えたときの良さでもあって。どこかイカれてるような世界は日本でもイギリスでもあるんじゃないかな。

平田:私たち2人ってどちらも考えすぎるタイプだけど、その考えすぎの箇所に違いがあるよね。絹子ちゃんはフレキシブルな発想だしすごくクレバー。私はすぐダサいのは嫌、ってなる(笑)。

Sapphire Slows:私は影響を受けやすい人間なだけだよ(笑)。

平田:絹子ちゃんは言われたことをまっすぐ受け止める人だよ。いろんな人に会って経験を経て、それが良い方に作用してるんじゃないかな。

Sapphire Slows:それは本当にそう思う。カッコいいとかダサいとかどうでもいいみたいに言っていても、もし私が本当にダサい人に囲まれていたら、私自身ダサい人間になってた。ハルパイから見て私がかっこよく映ってくれているなら、それは周りにカッコいい人たちがいてくれて、いい影響を吸収したからそうなれているんだと思う。

国籍 年齢 性別に抗っても自分に備わる本質的な資質は変わらない

平田:話がちょっと飛んでしまうんですが、今日の彼女のスタイリングを私がしていて。リンクコーデ(笑)。

Sapphire Slows:そう。ユニット的なね(笑)。

平田:それでGR8でスタイリングを考えているときにさ、絹子ちゃんってボーイッシュさとかフェミニンな感じとか、いろんな要素が混在してるなって思ったの。それでいて、国境や性別などにとらわれないニュートラルな存在だからすごく稀有だなって。音楽もそうだれど、自然とそういう考えになったり、もとから備わってたものなのかな?

Sapphire Slows:そうだなぁ。昔はどこか女性らしさに反発心があったかも。自分の中の女性らしさを否定していたわけじゃないんだけど、どこか自然に受け入れられていない部分は感じていたから、あまり見せたくはないって感じでさ。ボーイッシュな格好もよくしていたしね。たぶんそれは、日本で活動していて障害になる気がしていたからだと思う。やっぱり舐められたくはないし、日本の女性ミュージシャンとか若手女性DJとかって言われまくってきたから。

平田:そうなんだ。今の絹子ちゃんには見られない感情だね。

Sapphire Slows:もちろん女性で、日本人だけどさ。自分がやっていることにバイアスがかかっているようで、当時の私にとってはクエスチョンマークでしかなかったよ。私は音楽をやっているだけなのにって。国籍にせよ、年齢にせよ、性別にせよ、売り手の立場からしたら理解できることも当然ある。日本人の若い女の子がデビューしたって言えば、印象的だろうしね。今はそういうことを社会的にも言われなくなってきたし、私もより自由でいて、自然にいられるようになってきた。自分に備わる本質的な資質ってそう変わらないんだよね。それを自然に出していることに抵抗がなくなってきて、だいぶ楽になった。自分の中の女性として好きな面だってたくさんあるし、日本で生まれ育ったから持っている感性みたいなものはあると思う。

平田:私も日本人だよ(笑)。でも、子供の頃は海外にいて、両親も兄や姉も半分外国人みたいな感覚を持っている家庭で育ったから、日本人としてのアイデンティティってなるとちょっと混乱してしまうことはあるけど。ジェンダーもそうだし、食とかについても、世界的視野で見た場合の意見として言いたいことはたくさんある。

Sapphire Slows:結局、どこにいてもダサい人はダサいし、遅れている人は遅れている。だからあまり気にしないっていうのが今の私かな。幸い私の周りには素敵な人が多いし、昔みたいに意固地にならず、でも断片を見ただけで物事を判断しないようにしたいと思ってる。

ロックの感情性、テクノの物理性 その両方を使った音楽は人の心にもっとも作用する存在になる

ーキャリアスタート時から、音楽性自体も周りの影響などで変化していますか?

Sapphire Slows:人からは変わったと言われますが、自分としては本質は変わっていないと思っていて。デビュー当時は歌も歌っていたし、音楽ジャンルでいうとシンセポップに近かったのかなと思います。ちょっと実験的な要素が入ったシンセポップというか。

平田:ああ、そうだったかも。

Sapphire Slows:私のバックグラウンドって、ダンスミュージックじゃなくてインディーロックとか諸外国のロックがあるんですよ。父親が輸入物のレコードコレクターだったから、育ってきた環境はプログレッシブロックとかサイケデリックロック。 それから次第に音響、シンセサイザーの世界にハマっていきました。アメリカのNot Not Funからのデビュー後、日本国内で私のことをブッキングしてくれていたのが、日本でテクノのパーティーをやっている外国人コミュニティ周辺のグループだったんです。いろんなところとつなげてくれて、私はクラブやフェスでハウスミュージックやテクノに触れていくんですけど、テクノって音楽的には退屈が多いジャンルでもあるんです。

平田:リズムやテンポはあるけど、だいたい同じようになるもんね。

Sapphire Slows:そうそう。じゃあテクノの何が面白いのかってなると、それは音響的な面白さ。音響における物理的な効果になります。自分にとってロックは感情的な音楽だったけど、テクノは物理的な音楽だった。それから、その両方を使った音楽は人の心にもっとも作用する存在になるんじゃないかと思って。そこからシンセサイザーもただキーボードを弾いたようなものじゃなくて、いわゆるサウンドエンジニアリングとして音から合成するようになりました。そうすることで自分の音楽に幅が出たんじゃないかなと思います。なにせデビューしたときは、特にプロデュースされたわけでもディレクションされていたわけでもなかったので、知らないことだらけで。自分1人でやりながら、作品ごとにそのとき学んでいることをアウトプットしてきたってところは少なからずあって。たぶん私は今後もそうやっていくんだと思っています。

ー今回HEATで制作した楽曲について聞かせてください。

Sapphire Slows:タイトルは「THE GAME」。楽曲に関しては、個人的には要素を詰め込んだほうだと思います。もっとミニマルにできたのかもって思う部分はあるけど、MVのムードや自分の中にあるカオティックな部分とかも乗せた上で、ノンストップで走り抜けるようなイメージで作りました。さっきハルパイが言ってたけど、無駄なものがあったら多分この構成は無理だったと思う。ごった返していて、緩急もないようなんだけど、それでもぎりぎり成り立つミニマルさというか。この前ハルパイに送ったときのビデオはまだマスタリング前だったね。

平田:ビデオ、めちゃくちゃカッコいいよね。

Sapphire Slows:今回は一緒にMVを作りたい人がいたから、事前に候補デモをいくつか送ってたんだよね。私は映像チームが作る世界観との相性が良さそうだったから、この「THE GAME」かなってもとから感じていたところに、アートワークを担当するペインターのだいじろうくんも、映像制作を担当するマルちゃんも「この曲だね」って言ってくれた。だいじろうくんはオランダのデン・ハーグに住んでいるアーティストで、以前オランダに行ったとき、現地でアート関連のキュレーションをしている人から紹介されて。それ以来、彼の描く絵がすごく好きで、いつか一緒に何かしたいなって。でも、無理にコラボレーションの機会を作るのもちょっと違うかなって思っていたタイミングにちょうど今回の話をもらって。だいじろうくんも去年あたりからVJやってるって言っていたし、じゃあこの機会にって感じでオファーしたら引き受けてくれてさ。映像制作のマルちゃんは大阪在住。だから、リモートで素材をやりとりしながら作ってくれたんだよね。すごく面白い経験だったんだけど、これは予算面でAmazonチームからバックアップがあったから実現できたことだよね。

平田:そうだね。やっぱり友達だからって、オファーする以上はしっかりとやりたいと思う。今回の企画は絹子ちゃんだけじゃなくて、ビデオを作ってくれたアップカミングな2人も紹介できるから、そういった面でもすごくいい企画。

Sapphire Slows:せっかくハルパイが推薦してくれたからさ。周りに合わせるんじゃなくて「このアーティストだけちょっと異常だぞ」と感じるくらいのものでもいいのかなって(笑)。

私は今の時代のアーティスト アナログシンセサイザーにも最新技術にも興味がある

ー音源やMVはどういった流れを経て完成に至ったんですか?

Sapphire Slows:最初に映像チームと共有した仮状態のデモから、いろんなことを同時に進行していきました。楽曲自体の素材は去年のライブセットを1曲ずつセパレートしてレコーディングしていたものの中から、気に入っている箇所を抽出しています。「THE GAME」も後からつけたタイトルで、MVの制作作業を進めてもらいつつ、私は私でデモを完成していくって感じでした。実は、楽曲の中にいくつかセリフのような歌詞を入れているんですが、ビデオを観て浮かんできた言葉を入れたりもしていて。ある程度まで出来上がったビデオを送ってもらったとき、その世界観にとても惹かれたんです。カオス感と遊び心が共存している感覚というか。それで完成させていきました。コラボレーション作品としても、とても満足のいくものができたと思います。

ー映像にかなり強くこだわったようですが、視覚的な作用は楽曲制作に加えて常に意識している点になりますか?

Sapphire Slows:リリースごとに毎回、というわけではありませんが、今回はオファーをいただいた時点で音源とミュージックビデオということだったので意識して取り組みました。HEATは各アーティストがそれぞれ楽曲を作って配信していますよね。コンピレーションアルバムとも違うしな、とか色々と考えて、ビデオ作品としての方がパンチが強いと感じたので映像にこだわりながら楽曲全体をアート作品として捉えることができるようにしたって感じです。Amazonのようなインターナショナルなプラットフォームを経由して、そういった世界観を配信することで、結果として多くの人たちがアクセスしやすいものになるのかなと。

平田:本当にそう思う。私、今桑沢デザイン研究所に通っていて音から形を作る勉強とかもしているでしょ? 絹子ちゃんのビデオって、それの参考映像として授業にも使えそう。絹子ちゃんの活動は、自然と音楽が好きな人だけじゃなくて、アートが好きな人や興味がある人にもちゃんと作用するようになっているんじゃないかな。

Sapphire Slows:自分ではわからないけど、そうだったらいいな。本当はイマーシブでやりたかったんだよね。すごく興味があったし。でも、スケジュール的な面でエンジニアさんとかとの調整も難しくてさ。最終的にはステレオミックスになったんだけど、でもこの楽曲を制作するときにもともとイマーシブのイメージがあったから、左右から流れてくる音の振り方やリズムを工夫しながら立体感が出るように作った。逆にモノラルだとすごくぎゅっとした音に聞こえちゃうと思う。まあ、そういう経緯はありますけど、立体音響で聴ける環境っていうのも実際にはまだ少ないし、今できる範囲で最大限のことはしたいと思っています。

ー立体音響でこれまでとは違う体感や演出を生むことは今後への期待でもあり、課題でもありますよね。

Sapphire Slows:そうですね。立体音響で録音するスタジオ、エンジニア、アーティスト自体も多くはないので。だから今から始めておけば、もう勝ちでしょ、みたいなところはある(笑)。今後は絶対そっちの方向に向くでしょうし、潤沢な予算のもとで楽曲制作を行う海外のR&BやHIPHOPのアーティストたちはイマーシブver.とステレオver.をリリースしていたりもします。私が思うに、こういった裏側には誰でも音楽が作れて配信できる今の時代が関係しているんじゃないかなって。2、30年前はスタジオがあってエンジニアがいて、レコーディング、マスタリング、リリースの流れがプロフェッショナルなものだったけど、今ってツーミックスくらいなら誰でも簡単にできちゃう。それがイマーシブになるとスタジオじゃないとできないわけです。これからの時代のプロフェッショナルな音作りをしていくならば、遅かれ早かれそっちに行く必要は出てくると思うし、さらにそこから2、30年経てば、きっと家でイマーシブサウンドが作れる環境になっていく。私は今の時代のアーティストとして、現代の最新技術にすごく興味があるんです。アナログのシンセサイザーも当然好きだし、ノスタルジーさを感じるレコードも好き。それにはそれの良さがあって、今しかできないようなテクノロジーを組み合わせることで新しい物事が生まれるんだと思います。

ーイマーシブサウンド以外にも今後やってみたいことなどはありますか?

Sapphire Slows:自分の中では、エクスペリメンタルにポップミュージックを表現するタームが一旦終えたので、もっと形のない音楽を探っていきたい願望はあります。2022年はパフォーマンスを中心にヨーロッパへのツアーも久しぶりに実施できたりと、旅ばかりの1年だったので楽曲があまり作れなかったんです。来年は曲をもっと作りたいですね。

ー最後に、出演アーティストの中で気になる人などはいますか?

平田:キュレーター側にいるYATTのYOSHIROTTENくんはビッグラブのお客さんでもあったので以前から知っています。あとGR8での仕事のつながりから、面識はないけれどGUCCIMAZEくんの名前もよく聞きます。

Sapphire Slows:ミュージシャンとしてそれぞれの分野で活躍されている人たちだと思いますが、もとから知っている人はいないです。キュレーター側も著名だから認識はできるけど、お会いしたことのない人がほとんど。それよりも、フレッシュでアップカミングなアーティストを紹介する企画の中に、もう10年以上音楽活動をしている私が入っていていいのかなってほうが気になります(笑)。まだアップカミングで紹介してもらえるなんてありがたすぎる……。

平田:紹介側の私が言うのも変だけど、たしかにそうだね(笑)。でも私としては、HEATからバックアップされた音楽環境で絹子ちゃんがやりたいことを表現してほしいと思ったんだよね。 それに、多くの人にとって絹子ちゃんの音源を聴くことが刺激になればいいなって。

Sapphire Slows:嬉しいな。でも、こうやって制作をサポートしてもらうことで私自身ミュージシャンとして曲作りに集中できた。ホットなキュレーターの人たちが後押ししてくれるのも本当にありがたいことだと感じるしね。

平田:それと、ビッグラブで取り扱っているようなレコードでも、Amazon Musicなどの音楽配信でもいいんだけど、みんなに新譜を聴いてほしいという思いがある。新譜を聴いている人と聴いていない人の感度は違ってくると思うし、それは音楽にしてもね。だから聴いていない人に絹子ちゃんの音楽を聴いてもらって「あれ、ちょっと自分ってやばいのかも」って感じてほしいくらい(笑)。絹子ちゃんはちゃんと聴いていて、それでいてアウトプットがしっかりとできている人だから。

Sapphire Slows:アウトプットで言うと、他のアーティストさんたちが今回の企画をそれぞれどう捉えてアウトプットしたのかはすごく興味がある。もちろんいろんな角度からの捉え方があって、このチャンスを生かすやり方もたくさんあると思う。私はHEATと自分の活動をどうリンクしていくのかって考えて動いたわけだけど、やっていてすごく楽しかったから。この1回だけで終わってしまうのはもったいないと思っているくらい。なのでしつこいようだけど、次回こそイマーシブサウンドでの楽曲にも挑戦させてもらいたい!(笑)。

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